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Stage INTERVIEW

新妻聖子、3度目のミュージカル『ボディガード』

ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストン主演の大ヒット映画(1992年)を舞台化したミュージカル『ボディガード』日本キャスト版が、3度目の上演を果たす。主役のレイチェル・マロンをMay J.さんとダブルキャストで演じるのは、ミュージカルを中心に第一線で活躍し続ける新妻聖子さん。2020年の初演から同役を演じる彼女が、幅広い層を虜にする本作の魅力や、数々の世界的ヒット曲で彩られるナンバーへの想いなどを語った。
(取材・文/小野寺亜紀、舞台写真提供/梅田芸術劇場・過去公演より)

「作品そのものがホイットニーへのラブレターだと思っています」

――今回の上演が決まったときのお気持ちは?

本当に嬉しかったです。初演は最初のコロナ禍と重なり、大阪で5回上演しただけで、残りの全公演が中止となりました。再演(2022年)もまたコロナが流行った時期でしたが、一度も中止にならず完走できた良い思い出があり、公演中からお客様の反応が大きく、千穐楽近くには再々演の話が持ち上がっていて。お客様の「また観たい!」というお声を頂いたうえでの再演はすごくありがたいことで、今ワクワクしています。

――3度目のトライとなるミュージカル『ボディガード』は、新妻さんにとってどんな作品ですか?

芸歴20年を迎え年齢を重ねた今、『ボディガード』という作品をお客様やカンパニーと一体となって楽しむことが、すごく心地いいんです。私が演劇を始めた20代前半から30代は、ギリシャ悲劇や三島由紀夫の戯曲、大型ミュージカルまで様々な作品を経験し勉強させていただきました。そこでは自分を追い込んで追い込んで役作りをし、己を律して皆さまの期待に応えなければ……と思う修行的な面があったのですが、『ボディガード』ではお一人でも多くの方に、日常の苦しいことなどを劇場で忘れていただけたらという気持ちです。

お芝居ってやっぱりどこか社会問題を扱っていたり、内へ内へと役作りがこもる傾向がある。でも『ボディガード』はサスペンス要素があるシンプルなストーリーで、気負わずに観ていただけます。こんな作品ってなかなかないですよね。お客様が笑顔で楽しんで帰ってくださる姿を見ることに、100パーセントの意義がある!と思える作品です。

――ライブシーンなど華やかで臨場感があり、最後には劇場一体となって盛り上がるショーも待っています。

後味が良く、フィナーレが全部さらっていくところがありますよね。2時間以上、宝石箱のようなキラキラなものをお見せし、最後はみんなで踊ろうぜ!という感じで盛り上がる(笑)。新春歌舞伎みたいに、毎年やったらいいのではと思うぐらいです。名曲しか並んでいない黄金の輝きを放つセットリスト。ミュージカルを観るのが初めての方に、こんなに相応しい作品はないと思います! レイチェル役って、かなり出ずっぱりで、歌い踊り、身体は疲れるのですが、翌日まで引きずらないんです。心が毎回満たされる。お客様の元気玉が跳ね返ってきて、こちらも元気をもらえるような……。そんな作品に、40才を過ぎた段階で出合えて本当にラッキーだなと思います。

(次ページに続く)

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