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Stage INTERVIEW

相葉裕樹、12年ぶりのシリーズ座長! 『ながされ・る君へ』インタビュー part.1

年末恒例、明治座の祭シリーズが今年も始動します! シリーズ原点となる2011年の『新春戦国鍋祭~あんまり近づきすぎると斬られちゃうよ~』から干支一回りとなる、2023年の舞台は、シンる・ひま オリジナ・る ミュージカ・る『ながされ・る君へ~足利尊氏太変記~』。室町幕府を開いた足利尊氏と、その弟・直義による史上最悪の兄弟喧嘩“観応の擾乱”を描きます。
エンタプレスでは、キャスト3人にインタビュー。第一回は、12年ぶりにシリーズに座長として帰ってきた相葉裕樹さんにお話をうかがいました!  (取材・文 臼井祥子)

「この足利尊氏は流されながら生きているので、僕にはぴったりかもしれない(笑)」

――相葉さんは祭シリーズの原点『新春戦国鍋祭~あんまり近づきすぎると斬られちゃうよ~』で座長を務められました。当時のことは覚えていますか?

2011年の正月に、村井良大くんがいて、こばけん(小林健一)さんがいて、さと兄(佐藤貴史)がいて、僕はまだ23、4歳でした。さっき当時のパンフレットを見せてもらったら、ガリガリでしたね。

――あのころ、太れないのが悩みだとおっしゃってましたね。

そうなんですよね。今は痩せなきゃなと(笑)。これまでも役に合わせて肉をつけたり減らしたりしてきていたんですけど、頑張らないとつかなかったんです。でも今、30代半ばになって、普通に生活をしていてちょっと筋トレをするとすぐに体に厚みが出る。体質が変わりました。

『新春戦国鍋祭』は、『戦国鍋TV』というバラエティ番組から生まれた舞台で、それが形を変えながら、「祭シリーズ」として13年間続いているって、喜ばしいことだなと思います。干支一回り、感慨深いです。

――すでにいくつかの舞台経験があった相葉さんですが、それでもあんなに何でもありな舞台は初めてだったのでは?

コメディ要素が高いものに出たのが初めてでした。たくさん衝撃を受けました。みなさん、台本からはみ出て好き勝手やっているんですよ。それでもちゃんと回収して、元の台本に繋げていく。ぐちゃぐちゃにしてからきれいなパスを出す。これでも舞台って成立させられるんだなって、先輩方の底力に感銘を受けました。

僕の役割は座長で、前田利家としてストーリーを運んでいかないといけないポジションだったから、爪痕を残そうとするより作品の真ん中に立っていました。遊びどころがなかったし、そんな余裕もなかったんですけど。

――『銀河英雄伝説』のラインハルトのパロディをやっていらっしゃいませんでした?

あ、そう! そこだけ! 日替わりだったのかな。唯一役から離れられる瞬間がありましたね。あの自由タイムは好きでした。台本には書かれていなくて、こんな感じかな?と思いながらやっていたんですけど、同じ時期に松坂桃李さん主演の『銀河英雄伝説』の舞台が上演されていて、『新春戦国鍋祭』がマチネだけの日の夜に観に行ったんですよ。そこで拝見したものを取り入れて、翌日からはちょっと変えていきました。役から離れて、主人公じゃなくなる瞬間は楽しかったです。

――前田利家のライバル、豊臣秀吉役を村井良大さんが演じていらっしゃいました。

彼はヒール役でした。良大がいてくれて、すごく場が締まったと思います。彼は当時から頭一個抜けてる印象で、芸達者で、芝居もすごい人。役者ってことに誇りを持って取り組んでいるんだなとひしひしと感じていました。2021年に『蜘蛛女のキス』で久しぶりにご一緒したんですが、とがっていた部分が削ぎ落とされて、なんていうか、丸くなったなあと。

――相葉さんはどうでしたか? 今振り返ってみて、2011年当時はどんなことを思ってましたか?

正直、どうしたら自分は売れるかなってことを考えていました。それは別に悪いことではないと思いますし。今でもそんなに自分が変わったとは思わないけど、有名になりたいとはあまり思わなくなった気がします。いろんな生き方があるってことがわかってきたのかもしれません。

僕はのらりくらりとやってきたんですよ。「これが自分の武器です」と、みんなみたいに提示できるものはないけど、形を変えながらその時できることをやって、アベレージを上げてきました。しいて言えばこの数年、ミュージカルにたくさん出演させていただいているので、昔に比べたら歌えるようになってきました。

――めちゃくちゃうまくなってますよ!

ははは。面白いですよね。あんなに下手だったのに、気づいたら歌える人扱いされてるんですよ(笑)。グランドミュージカルで、歌える人たちの中にいると自分は大したことないと感じるけど、それでもちゃんと成長しているんだなって思えて、歌を褒めていただくと安心します。  (次ページへつづく)

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