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Stage INTERVIEW

舞台『ジャンヌ・ダルク』に挑む清原果耶&小関裕太

「フランスを救え」という神の声に導かれ、百年戦争で目覚ましい活躍を見せるも、19歳で悲劇的な最期を迎えるジャンヌ・ダルク。ひとりの少女の“生”に焦点を当てたスペクタクルな舞台『ジャンヌ・ダルク』が、2010年、2014年に続き上演される。本作が初舞台となるジャンヌ・ダルク役の清原果耶さん、ジャンヌの命運を握るフランス王シャルル7世役の小関裕太さんが、100名を超すカンパニーで臨む稽古の様子や、役への意気込みを語った。
(取材・文・写真/小野寺亜紀)

「ジャンヌ・ダルクは信じることを諦めない人。そこは少し似ているかな」(清原)
「サスペンス的な要素が多くてワクワクします」(小関)

 

――本作のオファーを受けたときの思いからお聞かせください。

清原:ずっと舞台に挑戦してみたいと思っていたので、シンプルに嬉しかったです。壮大なスケールの作品でとても光栄ですし、頑張らなければと思いました。(演出の)白井晃さんが、本稽古が始まる前にワークショップを何日かしてくださり、私が不安を口にすると「果耶くんなら大丈夫だよ」と、いつも声を掛けてくださって。今稽古場でも、その言葉が私の背中をポンと押してくれますし、毎日奮い立たせてもらっています。

小関:僕は白井さんとは7年前の舞台『わたしは真悟』以来ですが、やはり白井さんとご一緒するのがとても楽しみです。当時は僕が21歳で、脱力している芝居が素敵だなと思っていた時期でしたが、肩の力が抜けていても心の中では「生きよう、生きよう」としている姿が大事だということを教わったように思います。お芝居について白井さんから得た言葉や思いが、この7年間の映像作品や舞台作品に繋がっているので、7年を経て、『ジャンヌ・ダルク』という作品、そして王という役柄で再び向かい合うのが楽しみです。

――中島かずきさんの脚本を読まれての感想は?

清原:舞台の脚本を読むのが初めてだったので、映像とすごく違いがあるのかなと思ったらそうでもなかったです(笑)。ただ、今回再々演になるので、台本を初めて見たとき、「ここに初演と再演の歴史が詰まっているんだ」とすごく感じました。

小関:それまでジャンヌ・ダルクという女性について、「1400年代のヨーロッパで、先陣をきって戦に向かい、はかなく散った19歳の女性」、ということぐらいしか知らなかったのですが、台本を読むとジャンヌをはじめ、いろんな人の複雑な人生や物語がシーンごとに展開し、小さなどんでん返しがずっと続いているような印象を受けました。「実はそんなことを考えてたんだ!」「仲が悪いと思っていたけど、実は仲がいいんだ」とか、サスペンス的な要素が多くてワクワクしました。

――役柄とご自身との共通点を感じることもありますか?

清原:私は「これを信じて頑張りたい」という気持ちを抱くと、それを信じて最後までやってみるタイプなのですが、ジャンヌ・ダルクは“信じる”という言葉の象徴になれるぐらい、信じることを諦めない人。そこは少し似ているかなと思いました。

小関:シャルル7世は王になりきれない王という役柄。調べれば調べるほど複雑な血筋の存在で、まだ理解しきれていないところがあり、正直自分とは全く違う人だなと思います。また、先日フランスへ行ったとき、祈りの意味合いが、日本人の“お祈り”とは肌ざわりが違う気がしたので、文化の違いもあるように感じました。似ている部分があまりないからこそ、もっと知りたいという思いがあります。

――日本とフランスの文化の違い、といった難しさもあるなかで、どのように役を深めているのでしょうか。

清原:私もフランスへ行く機会があり、劇の中に出てくるところにも行きました。でも時代が違いますし、ジャンヌが何を基準にどういう意思で動くのか、というところは白井さんと相談しながら毎日作っています。感情を読み解いていくと、すごく理解できる部分もあり、中島さんの脚本からも読み取れますが、わからないことは白井さんに聞いて、理解を深めています。

小関:例えば劇中で「異端審問とはどういうものか」、といったところは描かれておらず、余白も多い。だからこそ観終わった後に、気になったワードやシーンを調べて、興味を持つきっかけになってもらえたら。異文化のはずなのに、現代に通ずるものが多くありますし、いろんな観点から楽しんでいただけると思います。

――稽古場の雰囲気はいかがですか?

小関:みんなで集中しながらも、和気あいあいとしてるよね。結構、主演の雰囲気で稽古場が変わりますが、果耶ちゃんは笑顔が多いので、その雰囲気に引っ張られているんじゃないかなって思います。何人かでジャンプしながらスクワットをしたり、和気あいあいストレッチをして(笑)。

清原:筋トレ大会(笑)。

小関:僕やりょうさんは、コーヒータイムをしながら、そんな筋トレを遠くから見てたりも(笑)。笑いにあふれた稽古場です。

清原:最近殺陣の稽古が始まったので、全身筋肉痛です。ジャンヌは剣をほとんど持たず、ずっと旗を振って軍を鼓舞するのですが、この旗を振るのがなかなか大変で! 肉体的な疲労の回復方法を先輩方に聞いて、実践しているところです。

小関:(教えてもらったグッズを)全部買っているよね(笑)。

清原:はい! 早い方がいいかなと思って。

――セットや音楽、殺陣など壮大なスケールで描かれる舞台が楽しみです。あらためてメッセージをお願いします。

清原:初舞台なので白井さんをはじめ、キャスト、スタッフの皆さんのお力をお借りし、現代に届くジャンヌ・ダルクを誠心誠意務められたらと思うので、ぜひ観に来てください!

小関:まだ稽古が始まって10日ぐらいですが、間もなく最後のシーンまで通せるぐらいスピードは速いです。果耶ちゃんの初舞台ですが、もうお見せできるぐらいのところまできているんじゃないかな。きっと初日までに、さらにすごいものが出来上がっていると思います。

舞台『ジャンヌ・ダルク』

東京公演/2023年11月28日(火)~12月17日(日) 東京建物 Brillia HALL
大阪公演/2023年12月23日(土)~12月26日(火) オリックス劇場

演出:白井 晃
脚本:中島かずき(劇団☆新感線)
音楽:三宅 純
原案・監修:佐藤賢一
出演:清原果耶/小関裕太/福士誠治 荒木飛羽 深水元基
山崎紘菜 坪倉由幸(我が家) 野坂弘 ワタナベケイスケ 粟野史浩
りょう 神保悟志 岡田浩暉/榎木孝明 ほか

公式HP:https://jd2023.jp/

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