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『星影の人』 岡宮来夢・岐洲匠・笹森裕貴が新選組ゆかりの壬生寺で語る

幕末の京都を舞台に、沖田総司の儚く切ない恋を描いた宝塚歌劇の名作『星影の人』が、初演から50年目の今年、新たなミュージカルとしてよみがえる。天才剣士・沖田総司役の岡宮来夢さん、土方歳三役の岐洲匠さん、桂小五郎役の笹森裕貴さんが、新選組にゆかりある京都・壬生寺での取材会に出席。11月開幕の舞台に向けての意気込み、京都を訪れての感想、宝塚OGとのエピソードなどを語った。
[取材・文・会見写真/小野寺亜紀、写真提供/梅田芸術劇場]

「天才剣士といえば沖田総司。演じるならしっかり殺陣ができなければ」(岡宮)

壬生寺にて。左から、桂小五郎役・笹森裕貴さん、沖田総司役・岡宮来夢さん、土方歳三役・岐洲匠さん

1976年に柴田侑宏氏作・演出、汀夏子さん主演で初演。その後も水夏希さん、早霧せいなさん主演で再演された『星影の人』が、数々の演劇賞に輝く内藤裕子氏の潤色・演出・作詞で新たによみがえる。総司と心通わせる芸妓・玉勇を演じるのは、元宝塚歌劇団花組トップ娘役・華優希さん。さらに今作に躍動をもたらすのが次世代を担う若きキャストたちだ。

岡宮来夢さんは、「50年前から宝塚歌劇団が大切にされてきた作品に参加させていただけることが、本当に嬉しいです。天才剣士といえば沖田総司。演じるならしっかり殺陣ができなければ。すでに何度も殺陣稽古を組んでいただいて、汗を流しながらみんなで頑張っています」と爽やかに語る。

さらに初演の映像を観たことを明かし、「本当に美しく気品が高くて、これをどうやって出せばいいんだろうと最初は思いました。かなりハードルが高いなと感じつつも、いつか新選組を演じてみたいと思っていたので、ぜひやらせてくださいとお伝えしました」と、出演の経緯を明かした。

沖田が亡くなった年齢は27歳や29歳など諸説あることに触れ、「僕は今ちょうど28歳なのですが、「この年で具合が悪くなっていて…」と、いろいろなことを想像しながら今日は回らせていただきました」と、自身に重ね合わせる。土方歳三や近藤勇への沖田の忠誠心に思いを巡らせながら、「沖田くんがいなかったら、(新選組は)もっとカリカリした雰囲気になっていたかもしれない。沖田くんがいると、ちょっとフワっとするような、そういう人なんじゃないかと捉えています。脚本ではみんなに愛されているところがすごく描かれているので、自分で言うのもなんですが、持ち前の愛嬌を活かして(笑)頑張っていきたいです」。その言葉に周囲から笑いが起き、岡宮さんは「笑っていただけて嬉しいです」と人懐っこい笑顔を見せた。

「直感に従って作っていきたい」(岐洲) 「うわ!激アツだな」(笹森)

土方歳三役の岐洲匠さんは、「鬼の副長、冷酷、とよく言われていますが、そんなに強いイメージは持たず、まずは自分の身体で表現してみて、新しい何かを掴みたいと思っています。まだわからない部分も多いですが、ワクワクする部分を大切に、直感に従って作っていきたい」と意気込みを語った。また、「僕の身体で表現するからには、稽古から本番まで、ずっと油断せずに生きていかないと難しいだろうな…」と役作りについて話す岐洲さんに、「(それ)ずっと言ってる!」と岡宮さんと笹森さんが笑う場面も。

桂小五郎役の笹森さんは、「実在した歴史上の人物を演じるのはたぶん初めてなので、そこにまずワクワクしています。桂小五郎に関しては、生き延びた側の人間であるというのが自分の中で大きくて。沖田総司の対比となる、鏡のような存在だったのではないか」と役の印象を語った。そのうえで、「いち役者として、人間としてどうアプローチしていくのか。新しい挑戦になりそうです」と力を込める。

さらに笹森さんは、岡宮さんとの共演について感慨の言葉も。「桂小五郎と沖田総司は、元々剣の道場で知り合いだったという設定もありますが、実際に来夢と初めて会ったのも刀を使う作品の現場でした。お互い役者としていろいろ経験したうえで、こういった役どころで共演できるのがすごく嬉しくて。桂小五郎と沖田総司の物語にちょっと近いものを感じて、「うわ!激アツだな」と思っていました」と、二人の縁を振り返った。

原作をリスペクトしながら、新しい挑戦に期待を寄せる3人。岐洲さんは宝塚の男役について、「僕は本当にかっこいいことを知っているので。(元星組男役スターの)七海ひろきさんと共演したときに、階段で段差を使って座られた姿がめちゃくちゃかっこよかった! 僕それだけ覚えました」と、その様子を実演しながら振り返る。

さらに笹森さんは『HiGH&LOW THE 戦国 外伝』で現在共演中の元雪組トップスター・彩風咲奈さんとのエピソードを披露。「彩風さんは過去に桂小五郎を演じていらっしゃったことがあり、すごく縁を感じています。大阪公演を終えたばかりの彩風さんから、「ホテルオークラ京都の横に(桂小五郎の)像があるから行っておいでよ」と言われ、「明日僕行くんです!」という話をさせていただきました」と明かした。

岐洲さんは「今回、宝塚の卒業生の方もたくさん出られるから、(宝塚関係の方が)たくさん観に来られると思うんです。そのプレッシャーはすごくあります」と話すと、岡宮さんも笹森さんも大きくうなずく。そのうえで笹森さんは、「いい意味で(原作を)意識せず、自分の信じたプランでのびのびと演じたいなと思っています」と覚悟を述べた。

壬生寺(近藤勇胸像前にて)

「実際に新選組ゆかりの地を巡らせていただけることに感謝」(岡宮)

この日、新選組ゆかりの地を巡った印象について問われると、「かなりのインパクトがあり、とても想像させられました」(岐洲)。「小学生の移動教室とかでは“へー、そうなんだ”みたいにしか思わなかったけど、いざ役者になって関連する場所へ来るとこんな気持ちになるんだとグッときました」(笹森)。

旧前川邸

岡宮さんは八木邸を訪れた際、「実際の刀傷を目にして、当時こういうことがあったのだろうというのが、頭の中でクリアになりました」と話す。八木邸の二条城を望める場所では、「新選組の隊士にとって二条城は聖地。どんな気持ちでここに座っていたんだろうと想像しました」と感慨を滲ませながら吐露。そして、「やっぱりずっと『星影の人』が好きな方が観に来てくださると思うので、カンパニーみんなで素晴らしい作品を作れたらと思っています」とあらためて決意を口にした。

八木邸見学時

原作の世界観を変えることなく、これまで深く描かれなかった池田屋事件のエピソードや、殺陣の場面を膨らませるという今作。楽曲は既存の曲に加え、新曲も登場する。原作を知らない人には柴田作品ならではの男女の機微を、原作を知っている人にはスケールアップしたミュージカル要素を新たに味わえる観劇体験になるはず。

桂小五郎像前にて

池田屋跡

ミュージカル『星影の人』-沖田総司・まぼろしの青春-

作:柴田侑宏
潤色・演出・作詞:内藤裕子(演劇集団円)
出演:岡宮来夢/華優希
岐洲匠 笹森裕貴 田村心 愛加あゆ ほか

東京公演/2026年11月19日(木)~24日(火) 東京国際フォーラム ホールC
大阪公演/2026年12月3日(木)~7日(月) SkyシアターMBS
長野公演/2026年12月12日(土)・13日(日) 長野市芸術館 メインホール
静岡公演/2026年12月19日(土)・20日(日) 富士市文化会館ロゼシアター 大ホール
愛知公演/2026年12月25日(金)~27日(日) 御園座

公式HP  https://www.umegei.com/hoshikage2026/

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