25周年、30周年を迎える時も「ついてきてよかった」「間違ってなかった」って思ってもらえるように

――鯨井さん、内藤さんをはじめ、日替わりゲストは全員過去に共演したことのある方だそうですね。

そうですね。そういう意味ではどなたも愛を感じる役者さんたち揃いです。良大（村井良大）が、まさか今回出てくれるとは思わなくて、びっくりしました。めっちゃうれしい。テニミュでご一緒して、2011年の戦国鍋（『新春戦国鍋祭 ～あんまり近づきすぎると斬られちゃうよ～』）では、常に村井良大が横にいる状態でした。

2021年に『蜘蛛女のキス』で久しぶりに共演して、パワーアップしたところも見ることができ、いい意味で角が取れて丸くなって。僕もそうなんですけど、彼もそんなに多くの人と関わるタイプじゃなかったと思うんですね。でもなんかニコニコしてて、こうやって人って成長していくんだなって思いました。一緒にご飯に行った時、いろいろお話したら、すごく面白くて、人としてもそうだし、素敵な俳優さんになったなぁって。今回は１公演だけですけど、また何か面白いものを一緒にやれたらいいなと思っています。

――クリエイターさんではいかがでしょうか。

いろんな方にいろんなことを教えていただいてきました。最近で言うと、『ラフヘスト～残されたもの』の演出の稲葉賀恵さん。本当に愛にあふれているんですよ。芝居愛もあるし、役者への愛もある。一人ひとりの役者と、対話しながら関わってくれて、本番５分前まで話をしてくれるんです。僕はそれがすごくありがたかった。しかも全公演ご覧になるんですよ。そんな演出家さん初めてだったので、衝撃でした。

マチネが終わった後に、ソワレまでの間に各所に回って、「今日、どうだった？」と聞いてくれて。あんまりうまくいかなかったって言うと一緒に原因を探ってくれる。「じゃああそこはもっとこうしてみたら」と結構具体的な指示もくれる。「もう少しこうしたらいいですか？」「そうそう」って。そういうふうに潤滑にコミュニケーションを取れている現場ってやっぱり楽しいんですよ。一緒に作品を構築しているって気持ちになるんです。そういう感覚は大事だなと思っています。もっとこの人に教わりたい、またご一緒したいと思う演出家さんです。

――相葉さんも舞台へ愛を感じていると思うのですが。

それはもう、愛しかないですよ。今はもう大人だから表には出さないけど、自分が真剣に取り組んでいるものや、仲間たちの思いを軽んじられると、やっぱり怒っちゃいます。心の中ではブチ切れてますよ。正直、あんまり隠せてる気もしない（笑）。

20年続けてこられたのは、だからだと思うんです。正直に言えば、最初はさほど好きじゃなかったと思う。ミュージカルもストレートプレイも、やっていく中でだんだん面白いなと感じられることが増えてきて、どんどん好きになってきた。その結果、前より生きやすくなってきたなと思っています。

『テイ・る』についてもそうで、「相葉さんの主演舞台をやりたい」と言っていただいて始まった作品に、色彩豊かな作家陣と素敵な共演者が揃ってくれて、愛と感謝を感じるし、とにかく勝ちにいきたい。観てくださったお客様みんなに満足してもらって、「再演してほしい」という声を頂けたら、最高ですね。

――ありがとうございます。最後に、そんな相葉さんを20年間応援しているファンの皆様への愛を語ってください。

20年、応援してくださってる方もいるんですよね。そう考えると、頭抱えちゃいますね（笑）。右も左もわからなかった頃の僕はきっと失礼なことをいっぱい言ってきたし、してきたし…。そういう僕を見放さないでいてくれたことに感謝しかないです。しみじみ思うんですよ。20年前からの方も、最近ファンになってくださった方も含めて、みんながいなかったらここまで続けてくるのは難しかっただろうなって。

皆さんに「作品でお返しします」というのは役者として当たり前のこと。僕はそれだけじゃなく、もっと何かお返ししたい。それは僕がストリートライブから始まって、いろんな方の支えがあってここまできてるからかもしれない。なのでできるだけ機会を作っていろんな場で感謝を伝えていきたいです。25周年、30周年を迎える時も「ついてきてよかった」「間違ってなかった」って思ってもらえるように、これからも突き進んでいきます。

ハジケ・る ポップコーン一座『テイ・る　オブ　ナイトメア』〜不思議の国の給仕係〜は、3 月 21 日(金) 〜3 月 30 日(日)に東京・I’M A SHOWで上演されます。
詳細は公式H P（http://tale-of-nightmare.com/）にてご確認ください。