人気ミステリー小説を原作に、上田竜也と川島如恵留がダブル主演
軽妙な掛け合いに笑っていたと思ったら、いつの間にかシリアスな芝居に息をのむ。テンポのいい会話、華麗なダンス、手に汗握る謎解き。上田竜也さんとTravis Japanの川島如恵留さんがダブル主演を務める『ノッキンオン・ロックドドア THE STAGE』は、さまざまな表情を見せながら、観客をぐいぐいと物語の世界へ引き込んでいく。
青崎有吾氏の人気ミステリー小説を原作に、浜田秀哉氏の脚本、堤幸彦氏の演出で舞台化された本作。主人公は、探偵事務所「ノッキンオン・ロックドドア」を共同経営する御殿場倒理(上田竜也さん)と片無氷雨(川島如恵留さん)だ。
倒理は密室犯罪などのトリックを解き明かす「HOW」の専門家。一方、氷雨は犯人の動機や行動の理由を追究する「WHY」の専門家。同じ事件に向き合いながらも、視点も性格も正反対の二人が、互いの能力を補い合いながら難事件に挑む。
ある日、二人のもとに届いた謎の封筒。中に入っていたのは、落語の一節が記された紙と、新型列車「エターナルライナー」のプラチナ切符だった。やがて二人は、走る列車を舞台に繰り広げられる事件へと巻き込まれていく。

上田竜也と川島如恵留、二人の個性が役柄と鮮やかにシンクロ!
本作の大きな魅力は、なんといっても上田さんと川島さんが演じる二人の探偵のキャラクターと、その絶妙な関係性にある。
上田さんが演じる倒理は、自由奔放で自信家。周囲の反応など気にも留めず、独自の発想で突き進んでいく。時に傍若無人ともいえる言動を見せながら、その内側には並々ならぬ情熱を秘めた人物だ。
一見クールで、どこかやんちゃ。それでいて、内面には熱い思いがあふれている。そんな上田さん自身の持つイメージと倒理のキャラクターが、実に見事にシンクロしている。
強気な言葉や大胆な振る舞いも、上田さんが演じると魅力的に映る。何ものにも縛られないように見えながら、自分が大切にするものには、とことん真っすぐ。その一途さが垣間見えるからこそ、少々わがままな倒理からも目が離せない。
一方、川島さんが演じる氷雨は、知的で冷静沈着な常識人。周囲への気配りを忘れず、相手の気持ちを読み取ろうとする姿勢には、川島さん自身の持つ聡明さや誠実さが重なる。
だが、そんな氷雨が倒理に対して、いつも従順というわけではない。
自由奔放な倒理から、時にちょっと小バカにされ、振り回されながらも、なんとか対等であろうと頑張る。決して一歩引くだけではなく、時には反発し、自分の意見を主張する。その少し意地っ張りな姿が、なんとも微笑ましい。
上田さんと川島さんは、同じ事務所の先輩と後輩。それぞれに得意分野を持ち、相手にはない能力を認め合っている。互いをよく知る間柄だからこその関係性が、倒理と氷雨に自然に重なって見える。
上田さんが持つ自由で奔放な魅力と、川島さんの真面目さの中にある負けん気。その個性が役柄と溶け合い、二人とも、単に役を演じているというより、倒理と氷雨として舞台上で生きているように感じられた。

笑いからシリアスへ。一瞬で空気を変える芝居の魅力
この二人をはじめとする、キャストの軽妙なやり取りが、実に楽しい。
倒理が思いつくままに言葉を投げれば、氷雨がすかさず応じる。時には言い負かされ、時には反撃する。そして時には二人で攻撃する。キャストたちの会話には心地よいテンポがあり、客席から笑いが生まれる。
そんなコミカルな場面があるかと思えば、物語は一転、緊張感に満ちたシリアスな展開へ。さっきまで笑っていた観客が、思わず息をのんで舞台を見つめる。この芝居の振り幅が、作品をより魅力的なものにしていると感じた。

LED映像と人力の融合! 堤幸彦ワールド全開の演出
そして、堤幸彦氏ならではの鮮やかな演出も見逃せない。堤さんの得意な大きなLED映像を使ったスケール感とスピード感のある空間表現と、人力で走る車や電車の疾走感を表す観客たちなど俳優たちの身体を使ったアナログな演出が融合。次々に展開する場面に、ダンスやアクション、堤さんらしいユーモラスな仕掛けが加わる。まるでさまざまなエンターテインメントを一度に楽しんでいるような贅沢さ!
また、川島海荷さん、入江甚儀さん、森田甘路さん、松田賢二さん、岡田浩暉さんら、個性豊かな共演陣も物語を盛り上げる。それぞれの思惑が交錯することで、謎はさらに複雑になり、観客も二人の探偵とともに真相を追いかけることになる。
物語が進むにつれて、次第に浮かび上がってくるのは、倒理と氷雨という二人の人間そのものだ。
二人はなぜ一緒にいるのか。互いに何を知り、何を思っているのか。
それまでの軽妙なやり取りを知っているからこそ、シリアスな場面での二人の表情や言葉が、より深く心に響く。笑いと緊張、楽しさと切なさ。その鮮やかな切り替わりも、本作の醍醐味だろう。

華麗なダンスから微笑ましいカーテンコールまで!
そして、この二人ならではの場面といえば、ダンスシーン。上田さんは黒いタートルネックの袖を腕の半ばまでたくし上げて踊り、長く美しい手の動きがひときわ目を引く。その姿には、彼ならではのクールな色気が漂う。一方、川島さんは高い身体能力を生かし、全身を大きく使ったしなやかなダンスを披露。伸びやかな動きからは、身体の隅々まで神経が行き届いているような美しさが感じられる。上田さん、川島さん、それぞれの個性が鮮やかに際立っていた。
さらに、物語が終わったあとにも、もう一つのお楽しみが待っている。カーテンコールで見せる上田さんと川島さんの微笑ましいやり取りだ。
役柄を離れた二人の姿からも、長年培ってきた先輩・後輩としての親しさが伝わってくる。舞台上で対等なバディとしてぶつかり合っていた二人が見せる、飾らない関係性。そのギャップもまた、観客にとってはうれしい余韻となった。初日前会見の「とっても(T)上質(J)な時間」からはじまった、毎回、川島さんが挨拶に盛り込むTJに掛けた大喜利(!?)も、ファンにはお待ちかねのネタになっているようだ。
軽妙な掛け合い、華麗なダンス、緊迫した謎解き、心を揺さぶるシリアスな芝居。そして最後には、思わず頬が緩むカーテンコールまで。上田竜也さんと川島如恵留さん、それぞれの個性が役と鮮やかに重なり合い、二人だからこそのバディが誕生した。
最初から最後まで見どころ満載の『ノッキンオン・ロックドドア THE STAGE』、東京公演はまもなく千穐楽、その後は大阪公演大千穐楽まで突っ走る!

EX THEATER ARIAKE OPENING LINEUP『ノッキンオン・ロックドドア THE STAGE』
東京公演:2026年10月6日~25日/EXシアター有明
大阪公演:2026年11月7日~10日/オリックス劇場
原作:青崎有吾『ノッキンオン・ロックドドア』(徳間文庫)
脚本:浜田秀哉
演出:堤幸彦
出演:上田竜也、川島如恵留、川島海荷、入江甚儀、森田甘路、田中亨、渕野右登、坂ノ上茜、白石優愛、渡辺翔、吉澤尚吾、木津誠之、松田賢二、岡田浩暉 ほか
舞台の感動を、お手元にも。
エンタプレスのタブロイド版最新号「vol.5」では、『ノッキンオン・ロックドドア THE STAGE』を表紙&巻頭4ページで大特集!
上田竜也さんと川島如恵留さん、お二人の魅力を大きな写真でたっぷりお届けしています。
劇場で感じたときめきや感動を、いつでも思い返せるように。舞台の思い出とともに、ぜひお手元に残していただけたらうれしいです。
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