
「一緒にハラハラドキドキ、アトラクションのような感覚に」
――物語の舞台は、メディア界の人、モデル、歌手、プロ野球選手まで集まってくる戦後の「テキサスハウス」。このような場所に憧れ的なものはありますか。
自分は…絶対住みたくないですね(苦笑)。遊びに行くのは楽しそうだなと思いますけど、住むレベルになるとちょっと疲れちゃいそうで。夜中にいきなり“コンコン”って来て“飲もうよ”とか始まりそうじゃないですか! 最初の2、3ヶ月は楽しいと思うのですが、その後「どうしよう」ってなりそう(笑)。せわしないので、ちょっと離れたところから見ているくらいが面白そうですよね。
――なるほど(笑)。でもこういう場所が実際あったというのは新鮮にも感じますね。
そうですね。いろんな業界の人が集まる感じって、昔コメンテーターをやらせていただいた『テラスハウス』という番組にも、どこか通じるものがある気がします。あれもモデルさんや芸人さん、いろんなバックグラウンドの人が一緒に暮らしていて、その関係性を見る面白さがあったので。ある意味“現代版テキサスハウス”みたいな感じもあったし、そういう意味でも面白いなと思います。
――共演者の方についても教えてください。
皆さんとは初めてです。それぞれ違う場所で活躍されている方ばかりなので、その違いが作品のなかでどういう化学反応を生むのか。一緒につくり上げるのがすごく楽しみです。昭和の時代の空気感を、令和の今、送り出すことによるギャップにクスッと笑わされたり、考えさせられたり、感動する部分があると思います。
――劇場は、東京も大阪も小さめのところですね。
広いところでやる良さももちろんあると思いますが、こぢんまりとした劇場で、お客さんも舞台をつくり上げる一員となってもらえるのが、この世界観には合うはず。一緒にハラハラドキドキ、アトラクションのような感覚になってもらえるのでは。
舞台セットのイメージを見せてもらいましたが、すごく面白いものになりそうです。視覚でも楽しめるし、もちろん僕らのお芝居でも楽しませるので、ぜひ遊びに来ていただけたら嬉しいです。

「何者でもないときに出会っている」大切な仲間
――永六輔さんは晩年までご活躍されますが、やはり若い頃の出会いは大きかったのかと思います。伊藤さんにとって、これまでで印象的な出会いはありますか。
そうですね…僕プライベートで会うのは、いまだに地元の友達が多いんですよ。彼らといると、完全に出会った頃の自分に戻れるんですよね。14歳とか15歳の頃の感覚に。頭がすごくクリアになるし、いい意味でバカにもなれるし(笑)。すごく大事な時間です。今はそれぞれの仕事をみんな頑張っていて、その姿を見ると「負けてられないな」とも思うし、いい意味でリセットされるし、「より頑張ろう!」とも思えます。
――素敵ですね。
やっぱりお互い、何者でもないときに出会っているので、利害関係がないわけですよ。大人になるとどういう業界にいても、そういうのが生まれてくることが多くなると思う。でも彼らとは“ゼロ”のときに出会っているので、すごく大事な存在です。
――2026年も多くのドラマや映画に出演され、3月に写真集「JUNCTION」の発売、新たなファンクラブの始動と、いろいろなことに踏み出されている印象です。今ご自身、どんな道を歩いていると感じていますか。
それが本当にわからないんですよね(笑)。どこ歩いてるんだろうって。でも、やりたいことはやらせてもらっているので、それはすごくありがたいです。目標を明確に決めるというよりは、目の前のことに全力で向き合っていくなかで、最終的に「いい感じになっていたらいいな」という感覚に近いかもしれないです。
――実りある人生を、と?
そうですね。振り返ったときに「良かったな」と思える人生であればいいなと。そのためにはやっぱり一つひとつを大事にやっていくしかないと思う。今回の舞台もそうですけど、目の前のことにしっかり向き合い続け、最後に「あぁ良かったな」って思いながら終われたら、それが最高だろうなと思いますね。

『赤坂檜町テキサスハウス』
東京公演/5月8日(金)~24日(日) 下北沢ザ・スズナリ
大阪公演/5月28日(木)~31日(日) 近鉄アート館
原作:永六輔(大竹省二・写真/朝日新聞出版「赤坂檜町テキサスハウス」)
企画:崔洋一
脚本・演出:鄭義信
出演:伊藤健太郎 大鶴佐助 福井晶一 酒井大成 小川菜摘 みのすけ
公式HP https://stageoffical.com/akasakahinokicho/
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