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大鳥れい

「エリザベートファミリーとして、千秋楽まで頑張ります」

エリザベートを1幕で演じた大鳥れいさんは、初々しい少女時代からシシィの芯の強さが見え、内からあふれ出る想いを高音に乗せた「私だけに」の歌唱は、抜群の安定感がある。今コンサートに初出演の真風涼帆さん演じるフランツと、一瞬で恋に落ちたような「嵐も怖くない」のデュエットも印象的。真風さんのフランツは、ロイヤルらしい品のある優しい佇まいが歌声にも表れていて、エリザベートが惹かれる説得力が抜群だ。

2幕からエリザベートとして登場した白羽ゆりさんは、彩輝トートと火花を散らすような「私が踊る時」、ルドルフを亡くした後の悲しみに打ちひしがれる様子など、振り幅の大きい渾身のパフォーマンス。特に、小桜ほのかさんが演じるヴィンディッシュ嬢との病院のシーンは、彼女の手を取って離さずに歌い続ける姿が、シシィの孤独を静かに物語る。

宝塚歌劇団の専科に属する小桜さんは、フワフワの淡い色味のドレス&ヘアに、乱れたリボンのアンバランスな装飾スタイルと、無邪気な明るい笑顔が逆に精神の闇を表出。エリザベートに取られた手の感触をしっかりと確かめるように、去り際までさまざまな表情を見せて、目が離せなかった。

フランツには真風さんのほかに、霧矢大夢さんと北翔海莉さんが場面を分け合い、霧矢フランツ×白羽エリザベートの「夜のボート」、姿月トート×北翔フランツの「最終答弁」と、抜群の歌唱力を誇るフランツが、エリザベートへの愛をまっすぐ届ける。「最終答弁」は、多くのキャラクターが勢ぞろいし、熱量がクライマックスへと高まっていくシーンであり、ゾフィー役の出雲綾さん、マックス役の越乃リュウさんや、宝塚歌劇団が誇る実力あるOGたちが、妥協のない「挑む」姿勢で『エリザベート』を支えているのが、ジンジンと伝わってきた。

そして観客の温度感をキャッチし、それを台詞にも盛り込み、ストーリーテラーとしてコンサート全体を盛り上げる立役者・ルキーニを、1幕では宇月颯さん、2幕では湖月わたるさんが自由自在に表現。ほかのキャストたちが前を向いて歌っているときも、その間をぬうように動いては芝居を仕掛けるなど、ミュージカル要素を押し広げる。2幕の冒頭、「キッチュ」では、湖月ルキーニが観客たちに「30周年、お楽しみいただいていますか!?」と声を掛け、大きな拍手が。「エリザベート愛にあふれた美男美女の皆さん、記念撮影ですよ!」と観客の笑顔を引き出す。

湖月ルキーニと濃い絡みを見せたマダム・ヴォルフの美穂圭子さんは、初演でもこの役を演じたレジェンドであり、宝塚歌劇団きっての歌姫。「マダム・ヴォルフのコレクション」はエンターテインメント要素の強いナンバーであり、湖月さんと美穂さん、同期のふたりが互いを挑発するような息の合ったパフォーマンスで魅せた。

宝塚版の『エリザベート』は、「愛と死の輪舞」が作品タイトルに入っている通り、トートとエリザベートの愛の物語である。それを象徴するラストシーンの美しく甘美な余韻は、ガラ・コンサートでも変わらない。姿月トートが広げた腕の中に飛び込む、白羽エリザベートの幸せな表情に、やはり大きな至福を感じた。カーテンコールでは、30年前の星組公演に主演した麻路さんが、長い年月を振り返りながら、「エリザベートファミリーとして、千秋楽まで頑張りますので、何度でもご覧ください」と挨拶した。

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