物語の抑揚と音楽の抑揚が繋がっている、素晴らしい楽曲に彩られた作品
――『フランケンシュタイン』の音楽の魅力についてもお聞かせください。
生のオーケストラで聴くと、この作品の音楽は本当に立体的ですよね。近年はピアニストの方がコンダクターを兼ねるスタイルもありますが、この作品は指揮者、マエストロがいる形のミュージカル。ハーモニーの調和の中で劇がつづられ、1曲1曲が繋がっていて、絶えず物語の主題として音楽が流れています。突然歌い出すような印象はなく、物語の抑揚と音楽の抑揚がリンクしていて、登場人物の感情や人生もまた、音楽によって繋がっている心地よさがあります。さらに、どこか心の中でハラハラしたり、ヒヤヒヤさせられたりもするような、一度読み出したら止まらない小説みたいに惹きつけられる、よく考えられた素晴らしい音楽です!
――中川さんは2002年の『モーツァルト!』から数々のミュージカルに出演されていますが、帝国劇場がいったんクローズするという節目の年でもある2025年、ミュージカルについてどんなことを感じますか?
僕は小学6年生のときに、『ミス・サイゴン』の初演を帝国劇場の最前列で観ているんです。母親と叔母と一緒に、オケピットの前の席に座り、市村正親さんや本田美奈子さんが出演する舞台を観劇しました。ただ、最初のナイトクラブのシーンで、母が「アララ」と僕の目を覆い隠そうとして(笑)。子どもの僕にとって、口が大きく開いてしまう衝撃の幕開きでしたが、すぐ物語に没入していきました。その経験も含めて、僕にとってミュージカルは“特別なもの”。“特別なもの”はたぶん、ひとつでいいと思うんです。
――もう少し詳しく教えてください。
もちろん“特別なもの”はたくさんあっていいと思うのですが、「僕にとっての一番はこれです!」と言えるほうが、人生においてもいいと思うんです。世の中にエンターテインメント作品は数あれど、歌やお芝居で表現していくミュージカルという形でしか味わえないものがありますよね。そして、ミュージカルは時代とともに変化している。映画などいろいろなものと組み合わさることで、私たちに新しい発見を届けてくれます。とても未来志向なミュージカルを、これからまだまだ観続けたいし、ミュージカルからさまざまなことを教わりたいです。
――そのミュージカルの世界に20年以上携わられてきて、幸せな時間でしたか?
そうですね、あっという間だった気がします。何が“幸せ”なのかは分かりませんが! 僕が以前に出演した『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』の「Happiness」という曲の中に、「幸せは、そう思えばすぐそこにある」という意味の言葉が出てくるのですが、まさにそれが今の僕のテーマです。
ミュージカル『フランケンシュタイン』
東京公演/2025年 4月10日(木)~4月30日(水) 東京建物 Brillia HALL
愛知公演/2025年5月5日(月)~5月6日(火) 愛知県芸術劇場 大ホール
茨城公演/2025年5月10日(土)~5月11日(日) 水戸市民会館 グロービスホール
兵庫公演/2025年5月17日(土)~5月21日(水) 神戸国際会館 こくさいホール
音楽:ブランドン・リー
脚本・歌詞:ワン・ヨンボム
潤色・演出:板垣恭一
出演:中川晃教/小林亮太(Wキャスト) 加藤和樹/島太星(Wキャスト)
花乃まりあ 鈴木壮麻 松村雄基 朝夏まなと ほか
公式HP:https://www.tohostage.com/frankenstein/
2