総合エンタメ・マガジン[エンタプレス]

2025年の『Take Me Out』はあなたにとって何なのか?

――アメリカでの初演から20年あまり、日本での前回の公演から数えても7年経って、世界的にも日本でもマイノリティを取り巻く状況は変わってきていると思うのですが、そういう中で再再演されることにどんな意味を感じていますか。

確かに世の中はだいぶ変わりましたよね。この作品は、もちろん人間同士のやりとり、人間模様や関係性のドラマを描いてはいるのですが、世界的には今こういうことが起こっていますよ、あなたを取り巻く環境はこうなっていますよと、提示し突きつける作品でもありました。2018年の日本においてはそういう趣の舞台になっていたと思います。

でも今回はそうはならない。今のほうが観にきてくださるお客様にとって少しだけ身近な問題になっているはずで、だから突きつけることに割くリソースを別のことに割けるんじゃないかと思っています。その分、どうお客様に染み込んで、何を持って帰っていただけるのか、稽古をしながら存分に探らなければならないです。

コロナ禍もあったし、戦争も始まったし、セクシャリティについてよりセンシティブになったところもあれば、より身近になったところもある。この7年間で自分がマジョリティになったり、マイノリティになったりしているかもしれない。だから今回ご覧になった方にどう受け止められるかは想像もつかないです。

――前回の反応はいかがでしたか?

これは語弊があるかもしれないですが、この戯曲が書いている問題がお客様全員に満遍なく真髄まで、心の髄まで染み込んだか渡ったか、100パーセント受け取ってもらえたかというと、そんなことはなかっただろうなと思います。人間ドラマのエモさみたいなところで切り抜けられた部分もあったんじゃないかな。

だからそこがある意味今回の課題。もう一歩踏み込んで、2025年の『Take Me Out』はあなたにとって何なのか。お客様にとって何なのか、僕らにとって何なのか。世界においてどういうものなのかを提示できたらいいな。結局突きつけるのかもしれないですね。より戯曲の本質の部分が伝えられたら、心に鈍痛のようなものが来るのか、明日からの自分の生活の襟が正されるのか、わからないですけど、より身近になってくれたらいいなと思います。

――今回大きな違いの一つに、レジェンドチームとルーキーチーム、2チームに分かれてやるという点があります。ルーキーチームに注目している役者さんはいますか?

同じメイソン役のトミーかな。富岡晃一郎。同じ役でも僕とトミーとでは見た目が全然違うし、俳優としての質も違うんで、まったく違う役になるんじゃないかなと思っています。

――アドバイスはありますか?

僕がトミーに!? ないない。アドバイスなんて全然ないです。

――きっと玉置さんの背中を追いかけている人が、ルーキーチームにいらっしゃると思うのですが。

どうなんでしょう。確かに僕の半分くらいの年齢の役者さんもいるけど。もう正直わかんないじゃないですか。今の若い人たちが何が楽しくて演劇をやっているのか、日常生活で何を楽しんでるのか、どういう価値観で生きているのか。もちろん僕らも勉強してアップデートしていかなきゃいけないけど、でもわかんないから。彼らには「おじさんたちだな」くらいにしか思われてないんじゃないかな(笑)。

でも面白いのは、「おじさんたちだな」を演劇は超越できるんですよ。お芝居のいいところって、年齢も出自も普段いるジャンルも思想も主義も全部バラバラでも、一個の平等な地平に立てるんです。そこがやっぱり面白いし魅力的だし素敵な部分だと思うんです。同じ地平に立って作品を作るという目的に向かうから、年齢なんか超越できるんですよ。こんなことなかなかない。

お芝居はチームプレイなんで、そこを存分に楽しんでいきたいです。そして個人としては観に来てくださった方に、人を殺す役以外もやるんだよってことを知ってもらえるとうれしいな(笑)。怖い人じゃないよと。穏やかな恋する乙女みたいな役もやるので、そんな僕を観に劇場に来てください!

 

舞台『Take Me Out』2025は5 月 17 日(土)〜6 月 8 日(日)東京・有楽町よみうりホールにて上演。愛知、岡山、兵庫でも上演される。

舞台『Take Me Out』2025

作:リチャード・グリーンバーグ
翻訳:小川絵梨子
演出:藤田俊太郎
出演:
レジェンドチーム/玉置玲央 三浦涼介 章平 原嘉孝 小柳心 渡辺大 陳内将 加藤良輔 辛源 玲央バルトナー 田中茂弘
ルーキーチーム/富岡晃一郎 八木将康 野村祐希 坂井友秋 安楽信顕 近藤頌利 島田隆誠 岩崎MARK雄大 宮下涼太 小山うぃる KENTARO
ベンチ入り(スウィング)/本間健太(レジェンドチーム)  大平祐輝(ルーキーチーム)
製作:シーエイティプロデュース、エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ
企画:シーエイティプロデュース

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