総合エンタメ・マガジン[エンタプレス]

Stage REVIEW

『Endless SHOCK』ステージレポート——堂本光一が21歳から追い続けてきたエンタメ愛の結晶

堂本光一さんが作・構成・演出・主演を務める『Endless SHOCK』大阪公演が、梅田芸術劇場メインホールで上演中(~8月18日)。『SHOCK』シリーズのラストイヤー、最後の大阪公演には5年ぶりに本作に出演の中山優馬さんなど、4~5月の帝国劇場公演とは違うメンバーも出演し、熱い舞台を繰り広げている。ダイナミックな演出などがケタ違いのステージを、撮り下ろしショットとともにレポート!
(取材・文・撮影/小野寺亜紀)

“Show Must Go On!” コウイチの姿が、堂本さん本人とリンクする

2000年、当時21歳の堂本光一さんが帝劇史上最年少座長として主演して以来、毎年上演を重ねてきた『SHOCK』シリーズ。2005年には『Endless SHOCK』というタイトルになり、脚本・演出面にも堂本さんが参加。マイケル・ジャクソンの振付師トラヴィス・ペイン、ステイシー・ウォーカーなど、世界的なクリエイティブスタッフも関わり、作品を進化させてきた。

国内の単独主演連続公演として、森光子さん主演『放浪記』の2017回を抜き、現在最長記録を更新中(7月25日時点で総上演数2042回)。これまで堂本さんは、靱帯損傷の怪我を負いながらも全公演務めるなど(2002年)、さまざまな困難を乗り越え、強い思いをもって主演を務めてきた。

2020年からは堂本さんが演出も担当。コロナ禍のニューノーマルと言われた状況下での上演を踏まえた『Endless SHOCK -Eternal-』を同年に生み出し、新たな演出、新たなストーリーでカンパニーやコウイチ(堂本光一)の心情を際立たせることに成功した。

超人気オリジナル・ミュージカルとして、全日程即日完売の記録も更新してきた『SHOCK』シリーズだが、来年の帝国劇場休館を受け、2024年がラストイヤーとなることを発表。4・5月に同劇場で『Endless SHOCK』本編と『Endless SHOCK -Eternal-』が同時上演され、大規模な地方ツアーを経て、11月の帝国劇場公演で有終の美を飾る。

目にもまぶしい煌びやかな電飾や、オーケストラの生演奏に包まれて始まるオープニング。その後、次々と繰り広げられる様々なショーシーンは、ブロードウェイで頂点を目指し続ける若きエンターテイナー、コウイチ(堂本光一)が率いるカンパニーが生み出すステージの数々。アメリカのミュージカルさながらの明るいシーンから、和太鼓も登場するジャパネスクな場面まで、多彩なエンターテインメントが詰め込まれている。

そのセンターで輝くコウイチは、自身が目指すクオリティの高い作品の実現を考え、“Show Must Go On!”を信念に突き進む。堂本さんはあらゆるジャンルの歌とダンスをこなし、舞台上だけではなく客席上を優雅にフライング。数パターン用意されているフライングは、命綱なしのものまで飛び出し、1階席ならすぐ頭上を、2階・3階席も近くまで迫ってくる臨場感で楽しませてくれる。

さらに重量感のある衣装を身につけての長丁場の殺陣、その後に続く、最後の力を振りしぼるような階段落ちと、息つく間もないハードなステージング。舞台に命を燃やし、果敢に挑むコウイチの姿が、まさに『Endless SHOCK』に臨む堂本さんとリンクし、ラストに向けての展開に感動せずにはいられない。

そんなコウイチに嫉妬し、次第に彼と亀裂が生じていく幼なじみのユウマを演じたのが中山優馬さん。逞しい肢体、目力のある表情、パワフルな歌やダンスで惹きつけ、同じエンターテイナーとしてのプライドと心の弱さが交互に見える、人間味にあふれたキャラクターを熱演。

ときに突っ走ってしまうコウイチを、昔の自分を見るようだと温かく見守る劇場オーナーを、美しい歌声も披露して演じた島田歌穂さん。

そのオーナーの娘で、コウイチを慕うリカを演じた綺咲愛里さんは、どの場面でもヒロインとしての華を発揮し、歌・踊り・芝居と、宝塚時代よりさらにアップデートした魅力を感じさせる。

また、大阪公演より参加の林翔太さん、室龍太さん、原嘉孝さん。帝国劇場公演に引き続き参加の高田翔さん、松尾龍さん、尾崎龍星さん。それぞれがコウイチに投げかける台詞や芝居、歌やダンスまで、ダイナミックなステージに負けない迫力と熱意で挑んでいるのが伝わってきた。

堂本さんをはじめ舞台を愛する人々が心血を注ぎ、これだけの贅を尽くした日本発のエンターテインメントが、終わってしまう寂しさはやはりぬぐえない。みんなの夢がまだ続くと信じて、どこかでコウイチの夢が引き継がれるのを信じて、華々しいラストイヤーを見守りたい

『Endless SHOCK』大阪公演

2024年7月26日(金)~8月18日(日) 梅田芸術劇場メインホール

作・構成・演出・主演:堂本光一
出演:中山優馬
林翔太 室龍太 高田翔 原嘉孝 松尾龍 尾崎龍星
綺咲愛里
島田歌穂 ほか

公式HP: https://www.umegei.com/schedule/1184/

※2024年9月に博多座、11月に帝国劇場でも上演

次ページ 『Endless SHOCK』女優陣の華麗なステージフォト

1

2

あのときの感動を、お手元に。
オモシィプレスVOL.3& VOL.17 バックナンバー
京本大我 舞台掲載号

みんなが読んだオススメ記事

人気ランキング

デイリー
マンスリー
総合
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

RELATED

いま見ている記事と関連したオススメ記事です

PAGE TOP