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「『今まで培ってきたものを、諦めないで!』と言えるメッセンジャーになれるといいなと思っています」

――退団後は2017年の『パジャマ・ゲーム』が女優デビューでした。北翔さんは退団後も独自路線を歩まれています。ミュージカルを中心に活躍する方が多い印象の宝塚元トップスターのみなさんですが、北翔さんの新たな挑戦も続いています。

父がね、『パジャマ・ゲーム』のキスシーンに悶絶してたそうです(笑)。今まで男役だったのに、いきなり俳優さんとキスしてたものですから!私は大きな劇場で有名なブロードウェイ作品を長期間やりたくて退団したわけではないので、その後は「やったことのないことをまずやろう!」という、新しい北翔海莉探しの旅に出ました。

――どんな自分に出会えましたか?

宝塚を退団した当時は、ダンスのレッスンにはよく行ってました。「これから何が来ても対応できる体でいよう」と思っていたんですが、思いもよらなかったお能の依頼が来たりしましたね(笑)。 「これでフランス行っちゃうの?」ってこともありましたけど、お声掛けいただけるものには恐がらずにチャレンジするようにしています。「やったことないからどうだろう?」と思う作品もたくさんあったのですが、これも何かの縁だし、新しい北翔海莉の引き出しを作ってもらえる嬉しさでお引き受けしていました。

――ご縁は大事ですね。

ご縁があって声を掛けていただけたものって意外と天職につながることが今までも多くて。私が宝塚に入ったきっかけも担任の先生のちょっとしたひと言でしたからね。今後もそういうご縁となる言葉を聞き過ごすのではなく、毎回ちゃんと受け止め、よく考える。そういうものは自分の新しい引き出しにもつながるので、逃さずにやっていきたいなと思います。

――改めて、25周年公演『THE北翔まつり』への意気込みをお聞かせください。

今回、『THE北翔まつり』の第二部のショーで市瀬秀和さんに指導していただく殺陣のシーンがあるんですけれども、宝塚を卒業してからは市瀬秀和さんの殺陣の稽古に、朝早く木刀持って行ってたんです。結婚して出産して筋肉も衰え、「できないんじゃないかな、無理じゃないかな」ってちょっと弱い自分がいたんですけど、もう一回、一からのスタートで稽古して挑戦していきます。結婚して子育てしながらでも、「今まで培ってきたものを、諦めないで!」と言えるメッセンジャーになれるといいなと思っています。そして今まで同様、本物を知ったうえで舞台に立つという、宝塚時代からこだわってきた姿勢は変わりません。今回もただのチャンバラごっこではなく、真剣(本物の刀)を扱う市瀬さんにお願いして、武道の神髄を学びながら、お客様の前に立たせていただきたいと精進しています。ぜひその成果もご覧いただき、25周年公演を思いっきり楽しんで、元気を持ち帰っていただければと思います。

北翔海利 ほくしょう・かいり
3月19日生まれ、千葉県松戸市出身。1998年宝塚歌劇団に入団。宙組公演『シトラスの風』で初舞台。舞台人としての実力に定評があり、2015年星組トップスターに就任。2016年11月宝塚歌劇団を退団。退団後も女優として活躍している。『THE 北翔まつり』の後は、10月29日『アロージャズオーケストラ~ジャズ&宝塚Vo.3』、12月19日北翔海莉芸能生活25周年記念ディナーショー『ザッツ☆北翔テイメント』などが決まっている。

北翔海莉芸能生活25周年記念公演「THE 北翔まつり」

1部「先づ健康」
2部「THE 北翔まつり」
2023年9月14日(木)、15日(金) 大阪・国立文楽劇場
9月23日(土・祝)、24日(日))東京・浅草公会堂

出演:
北翔海莉
風莉じん 星吹彩翔 亜聖 樹
小林功 川浪ナミヲ
美治
藤山扇治郎
お問合せ:info@artistjapan.co.jp
北翔海利公式サイト https://hokushokairi.co.jp/

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