WAR BRIDE=戦争花嫁とは、第二次世界大戦後、連合国軍占領下の日本に駐留していた兵士と結婚して、その兵士の国に渡った日本人女性のこと。彼女たちはさまざまな誤解や偏見にさらされながら、なぜ敵国軍人と結婚し、どう生きたのか。アメリカの軍人フランク・ハーンと二十歳で結婚しアメリカに移住した女性、桂子・ハーンを取材したドキュメンタリー映画『War Bride 91歳の戦争花嫁』を原案とする舞台が、戦後80年となるこの夏、上演される。
演出は「劇団チョコレートケーキ」の日澤雄介。同劇団の脚本家・古川健が脚本を務める。
桂子を演じる奈緒と、フランクを演じるウエンツ瑛士は、本作で初共演。ほかに、高野洸、占部房子、山口馬木也らが出演する。
【スタッフ コメント】
古川健(脚本)
「戦争花嫁」を題材とする、TBS のドキュメンタリーから舞台を創る。最初聞いた時は、なんとも難しそうなお仕事だと正直感じました。しかし、実際にそのドキュメンタリーを見て、その難しい仕事を完遂したいという気持ちが芽生えました。生き生きと自分の人生を切り開いた、桂子さんという女性に果てしない魅力を感じたのです。
激動の 20 世紀の中で、日米という二つの国でたくましく生き抜く女性の姿には、憧憬と共感を禁じ得ません。演劇ならではの見せ方で、この魅力的な人生を余すところなく、お客様にお届けしたい。今はそんな気持ちでいっぱいです。
日澤雄介(演出)
ドキュメンタリー映画がベースとなっていると聞いた時は驚きと共にとても興味深く感じたことを覚えております。ドキュメンタリー特有のリアリティと説得力を演劇的にどこまで立ち上げることが出来るのか、そしてその中にどれだけの演劇的遊びを入れられるか、やりがいのある作品だと思いました。 映像の中の桂子さんは笑顔が素敵な穏やかな女性です。しかし、喜びの裏で様々な苦難を乗り越えてきたことは、そのまなざしの強さから伝わってきます。桂子さんの葛藤と慈愛に満ちた道のりを、奈緒さんをはじめとした魅力的な俳優さんたちと見つめていきたいと思います。
【キャスト コメント】
奈緒
1月に桂子さんにアメリカでお会いして、“戦争”という言葉が持つ意味をより深く知る機会になりました。私たちは偏見や差別から解放された世代だと思うんです。なぜいま自分たちがこの時代を生きることができているのか、この作品を通してこの日常がどれだけ尊くて光輝いているのか、幸せをかみしめるきっかけになると思いますし、今を守りたいと絶対に思えるはずなので、ぜひ観てほしいです。桂子さんは何に対してもすべてにおいて感謝の人で、そんな風に「ありがとう」を言えるのは、そこに至るまでのたくさんの背景があったからだと思いました。そして、桂子さんが愛した人、桂子さんを愛する人達のこともしっかりと感じながら、一生懸命舞台の中で生きたいと思います。 ウエンツさんは今作で初共演、撮影の時が初めましてでした!小さい頃からテレビで拝見していて、お会いしたときは「本物だ!」と思いました(笑)歌もお芝居もバラエティも当たり前のようにこなすウエンツさんを見てきましたが、いざ自分がやってみると難しいことを実感しました。こんなにも多彩なことを長くやってきた方とご一緒できるのは楽しみですし、いろいろ学びたいと思っています!
ウエンツ瑛士
桂子さんとフランクさんの間には本当にピュアな愛があるんだなと思う一方で、そのピュアで強い絆と愛に至るまでにはいろんな悲しみや辛さを内包しているように感じました。そしてお二人の家族が増えていったときに、桂子さんが自分たちと同じ辛い思いをしてほしくないけれど、それでもしっかり前を向いていくんだという、母として、女性としてすごく前向きな姿勢を示していらっしゃるのが印象的でした。今もこの世界で戦争が起きている中、僕らはこの戦争をどうにかして止めないといけないというところに思いがいきがちですが、この物語を通して、戦争が終わった後もいかに大事かということを知るきっかけになると思います。
奈緒さんとは今作で初めてお会いしましたが、誠実な方だなという印象をもっていました。お芝居しているときも自分が生きてきた道が言葉にのっているので、舞台上では夫婦役としてお互いのパワーをぶつけあって、より良いものにしてお客様にお届けしたいです。
高野洸
ドキュメンタリーを見て、桂子さんの経験とパワーがみなぎっていて、明るい気持ちになれました。戦後間もない中で、人と人は国が違っても心で繋がれるということの大切さを感じて、自分自身のフィルターを外さなければいけないことに気づけました。僕が演じる役は、戦場ジャーナリストという仕事を通して、自分自身の行動で何かを変えたいという目標を持つ気持ちの強い人だと思っています。自分の役と同じ仕事をされている方たちへのリスペクトを持って演じたいですし、役を通して伝える気持ちを忘れずに、観客の皆さんにも何かを持ち帰ってもらえるように、全力で演じたいと思います。
占部房子
混乱の時代の中、自分の国ではない場所へ行くと決めた勇気ある女性がいたこと、そして人を素直に愛し、真っ直ぐに愛し合える人と出会ったという出来事に驚きました。私は桂子さんの母親を演じますが、戦後間もない時代に自分の子供をお嫁に出すこと自体、とても心配なこと、それが遠くの国の違う言葉を話す人ともなればもっとハードルが高いはずです。それでも送り出せたのは、桂子さんのお母さんやご家族が人を信じる力を持った人たちだったからだと思います。この子は絶対に大丈夫だって信じてあげることは、親が子供に対してできる一番のプレゼントなんじゃないかなと思います。その強さを持った女性を大切に演じたいです。
山口馬木也
桂子さんとフランクさん、二人の人生を通して、戦後に起きていた出来事を一人でも多くの方に知ってほしいですね。戦争という悲しい出来事はあったけれど、愛に溢れる二人の物語を感じていただけると思います。桂子さんの父親役を演じることが決まってから、時代的には簡単に会えるわけではない場所へどういった気持ちで娘を送り出したのか、どのように彼自身の人格が形成されたのか興味を抱き、そして自分自身の両親に対してもとても興味を持つ機会にもなりました。実際にあったお話ですが、舞台ではドキュメンタリーとはまた違った目線で別の感情を届けたいですし、観客の皆さんと一緒に作品を育てたいと思います。
舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』
<東京公演>2025年8月5日(火)〜27日(水) よみうり大手町ホール
<兵庫公演>2025年9月6日(土)〜9月7日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
<福岡公演>2025年9月13日(土)〜9月14日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
原案:「WarBride 91歳の戦争花嫁」(TBSテレビ)
脚本:古川健(劇団チョコレートケーキ)
演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
出演:奈緒 ウエンツ瑛士
高野洸 川島鈴遥 渡邉蒼 福山絢水 牧田哲也 岡本篤 占部房子
山口馬木也
公式HP:https://www.warbride-stage.com
問い合わせ:
TBSチケット https://tickets.tbs.co.jp/tbs/toiawase/(東京)
芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00AM~5:00PM/月曜休※祝日の場合は翌日)(兵庫)
キョードー西日本 0570-09-2424(11:00~15:00/日曜・祝日休)(福岡)