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Stage REVIEW

3人のキャストと生演奏で描く新作ミュージカル『「翼の創世記」Genesis of Wings』舞台レポート

世界初の動力有人飛行を成し遂げたライト兄弟の生涯を、3人のキャストと生演奏で描く新作ミュージカル『「翼の創世記」Genesis of Wings』が、11月29日(金)に東京・ブルースクエア四谷で開幕した。企画・脚本・作詞・演出を石丸さち子が、音楽を森大輔が手がけ、上口耕平、門田奈菜、上川一哉、工藤広夢、鈴木勝吾、DION、百名ヒロキ、福室莉音、山﨑玲奈が5チームに分かれて、兄ウィルバー、弟オーヴィル、妹キャサリンの3役を演じる。
初日前日の28日(木)に行われたチームA(上川一哉、鈴木勝吾、門田奈菜)のゲネプロの様子を取材した。(取材・文/臼井祥子) ※エンタプレス撮り下ろし舞台写真、近日公開予定!

夢を追い求める登場人物に、新しいミュージカルを世に生み出そうと奮闘するカンパニーの姿が重なる

ブルースクエア四谷は収容人数約100人の小さな劇場だ。地下に降りると、客席からステージの奥まで続く黒壁に、翼や歯車など手書きの設計図のような模様と文字がびっしりと描かれている。板の上と客席がシームレスにつながる、閉じられた小さな宇宙のような場所で、石丸さち子の新作は開幕した。

年老いたオーヴィル・ライト(鈴木)の回想から、物語は始まる。
オーヴィルと、兄ウィルバー・ライト(上川)、妹キャサリン・ライト(門田)の子ども時代。空に魅せられ、飛行機械を作る夢を抱き、その実現のために兄弟がどんな努力を積み重ねたのか。キャサリンが兄たちをいかに支えたのか。ファーストフライトを成功させた喜び。飛行機がもたらした世界の変化。
情熱的でありながら冷静さを保つダイナミックで繊細な表現で、3人の人生が丁寧に描きだされていく。
それは、順風満帆なばかりではない。失敗を繰り返し、時に絶望しながらも、不屈の精神で前人未到の空へ飛びあがろうと、夢を追い求める幸福の中に生きるその姿に、新しいミュージカルを世に生み出そうと奮闘するクリエイターや俳優たちの心が重なって見えた。

耳に心地いい多彩な楽曲と俳優たちの巧みな表現。突如現れる青空の開放感。壁と同じモチーフの衣裳の柄のかわいらしさ。濃密な空間で浴びるように上質なミュージカルを堪能できる幸せな時間がそこにあった。

本作は12月25日(水)まで上演中。
当日券の販売状況など、詳細は下記公式サイトにお問い合わせください。

ミュージカル『翼の創世記』Theatre Polyphonic 第7回公演

オーヴィル役の鈴木勝吾×工藤広夢×DIONの鼎談は下の写真をクリック!

 

 

ミュージカル『翼の創世記』

2024年11月29日(金)〜12月25日(水) 東京・ブルースクエア四谷

企画・脚本・作詞・演出:石丸さち子
作曲・音楽監督・演奏:森 大輔
出演:上川一哉、上口耕平、鈴木勝吾、百名ヒロキ、工藤広夢、DION、門田奈菜、福室莉音、山﨑玲奈

公式HP:https://s-ishimaru.com/wings/

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