真弓孟之さん
――オファーを受けたときの感想は?
真弓孟之(以下、真弓):関西ジュニアの先輩から台本を見せてもらったことがあり、心温まる物語でいつか演じてみたいと思っていました。自分の番が回ってきてめちゃくちゃ楽しみですが、僕で途切れさせるわけにはいかないという責任感も。楽しみと不安のいいバランスです。
羽野晶紀(以下、羽野):終わるときには本当に寂しい気持ちになるいいお話なので、また出演できてありがたいです。新しい“ぼく”と“おとん”を迎えて、ワクワクが止まりません。
古田新太(以下、古田):おいらでいいの?と思いましたね。ハートウォーミングですごく素敵な話なので。今までアキちゃん(羽野)とやっていたのは山にぃ(山西 惇)や、さとし(橋本さとし)という、いい人を結構よく演じるふたり。おいらはあまりいい人をやったことがないけど、大嘘こくのが俳優の仕事なので、楽しみな部分が大きいです。
――真弓さんは、古田さん・羽野さんと今日が初対面だそうですね。
真弓:今日、ここに来るのもめちゃくちゃドキドキしたのですが、この公演で羽野さんと共演した岡﨑彪太郎くんに「羽野晶紀さんってどんな方?」と聞いたら、「めちゃくちゃ明るくて優しい方やからグイグイいって大丈夫やで」と言っていたので、少し肩の力が抜けました。古田さんは深刻な役をやってらっしゃったイメージが強かったです。でも今日「初めまして」なのに、もう「タケ」と呼んでくれる柔らかいおふたりで、3か月後の本番がさらに楽しみになりました。
羽野:タケくんのことをいろいろな方にお聞きしたら、本当にいい子だ、間違いないと! のびのびやってくださるだろうと聞きました。一度台本を読んだそうで、(演出の)河原さんも太鼓判でしたよ。今、ハードル上げた!?
真弓:上げましたね(笑)。それを超えていきます!
羽野:全然なんの不安もないし、また素敵な子が来てくれて、一緒に家族になりたいなと思います。古田さんは、「とうとう来たな、ラスボス」という感じで(一同笑)。来てくれて私は嬉しいです。このいいお話を、古田さんがやったらどうなるのか。今までのようにはならないかもしれないし、やっぱり演じる人が変われば雰囲気も変わるので、それを私も楽しみたいです。
羽野晶紀さん
古田:タケの先輩はおいらの手下がめちゃくちゃ多い。櫻井(翔)とか松岡(昌宏)とか。
真弓:えー、すごい!!
古田:(タケは)大阪在住らしいから、また一人、大阪の手下として……。
羽野:行きたくないときは断ってええよ。私のこと使ってくれていいからね(笑)。
真弓:はい(苦笑)。古田さんとは今日現場に入って40分ぐらい一緒にお話しさせてもらったなかでも、大爆笑を10回ぐらいかっさらっていかれて! テレビで観ていた印象と変わらないおもしろい方だなと思いました。
古田:AmBitiousがまだグループデビューしてないということに今日びっくりした。AmBitiousも(手下として)コンプリートしていこうかなと。
真弓:ぜひお願いします!
古田新太さん
――古田さんと羽野さんは劇団☆新感線の先輩・後輩であり、今回夫婦役です。
古田:今出ている舞台(『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』)でも夫婦役をやってるんですよ。まあ、アキが18のときから付き合ってるから……。
羽野:それ誤解があると思うんですよ。一度も交際したことないです(笑)。でも夫婦役は今まであまりなかった気がするし、私は熱望していたので今も毎日ハッピーですが、その延長がこの作品なので。
古田:いやいや、これはまたちょっと違うからさ。“おとん”と“おかん”と“ぼく”の3人はいろんな事情はあるけど、関係的にはハッピーじゃない? だからおもしろいな、というのがありますね。
羽野:うん、そうやね。
――作品の魅力や役の印象についても聞かせてください。
真弓:3年前ぐらいに読んだときは、“おとん”と“ぼく”、“おかん”と“ぼく”の掛け合いが、ほかの作品にはないぐらいポップでクスッと笑える印象でした。お母さんを失った状態で物語がスタートするので、やっぱり“ぼく”の心の中はポッカリ穴が開いた状態。でも“おとん”の前ではそれを見せないように強くあろうと、“おとん”のボケに対して明るくポップに返している。今自分はそういう状況に置かれていないけど、やっぱり“ぼく”のそういう強さや、内に秘めているものを表情や言葉で表現していかないといけなくて、そこが一番難しいなと思います。あと3ヵ月、台本を読みこんで、“ぼく”の気持ちに合わせていきたいです。

羽野:朗読のようで“リーディングアクト”とついている通り、アクトな部分もあります。実際稽古期間もすごく短いので、私たちもそのなかで作り上げていきますが、お客様が会場で創造する部分も大きくて、みんなでひとつになれるような作品です。
古田:基本的に“ぼく”が運んでいくお話で、“おとん”はボケっぱなしなので、タケに任せた。ウケなかったらタケのせいやから。
真弓:こわいー(苦笑)。そもそもこんな舞台に立たせてもらえるとは考えていなかったので、今回超ビッグなおふたりとやらせてもらえると聞いて、おかしくなりそうなぐらい楽しみです。
羽野:これ、3人でやるじゃない? だから今までも、ほんまの家族みたいになるんですよ。2カ月前には、こたちゃん(岡﨑彪太郎)と山西さんと一緒にご飯を食べました。普通の家族みたいに。
真弓:じゃあ僕も終わるころには、間違えて一緒の家に帰っちゃうぐらい? 最高ですね!
――4回目の羽野さんから、何かアドバイスなどありますか?
羽野:稽古が少ないので、1回1回の稽古で思い切りやるのがいいです。何をやっても受け止めてくれる先輩と、面倒見のいい演出の河原さんがいるので、恥ずかしがるとかそういうのはなく、全力で解放したほうがいいと思います。
真弓:ありがとうございます。120%でやらせてもらいます!
羽野:もう間違いなく素敵な舞台になると思います。いろいろな方に観ていただきたいですね。
古田:今日、タケがいいやつだというのがうっすらわかってきて、これは楽しい家族になりそう。劇場でちょっとホロッとする気持ちになっていただければ。そのために頑張ろう。
真弓:はい!
リーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』
大阪公演/2026年1月15日(木)~1月18日(日) サンケイホールブリーゼ
東京公演/2026年1月29日(木)~2月1日(日) 渋谷区文化総合センター大和田4階 さくらホール
原作:たなかしん
演出:河原雅彦
脚本:野上絹代
音楽:瓜生明希葉
出演:真弓孟之 羽野晶紀 古田新太
