田村「『プリキュアとは？』というところから考えていました」
――前作の出演が決まる前にアニメの「プリキュア」シリーズをご覧になったことはありましたか？
田村・滝澤 もちろんです！
田村 子どもの頃、ニチアサ（日曜日の朝に放送されるキッズ向けのテレビ番組の時間帯）を観ていたので。
滝澤 戦隊モノ、仮面ライダー、プリキュアの順に放送してたから、寝坊すると最後にやるプリキュアしか見られないんですよ。だから一番よく見ていたのがプリキュアでした。
田村 『ふたりはプリキュア』（2004年〜2005年放送のシリーズ１作目）からずっと見ていたから、５人になった時（2007年放送の『Yes!プリキュア5』でプリキュアの人数が５人に）は感動しました。女子向けとかは特に考えてなくて、普通にカッコいいと思って、見てました。
滝澤 わかる。
――ではご自身がプリキュアをやると決まった時も自然と、なんの疑問もなく？
滝澤 いや、疑問はありました（笑）。抵抗があったわけではなくて、ただ想像の範疇を超えていたんです。変身どうやるの？とか。
田村 手探りだったよね。クリエイティブチームも、演じる我々も。みんなが「プリキュアとは？」というところから考えていた。ヒーローものの舞台がたくさんある中でプリキュアをやる意味、アニメが始まって20周年のこのタイミングで、僕らが舞台でプリキュアを作る意義を、稽古中も本番中も探しつづけていた気がします。
――見つかりましたか？
田村 見つかりました。いや、そう言っちゃうと僕らがやったことが大義みたいになっちゃうけど、なんて言うんですかね。常に探しつづける、そういう意識を持つことが大事だったんだなと、千秋楽の日に感じました。それと、お客様の反応が全てだったなと。
――お客様の反応はどうでした？
滝澤 予想以上でした。これまで出演した舞台で一番ではと感じるくらい男性のお客様が多かったし、お子さん連れの方も多かった。その様子が、初日にとても印象深かったです。初めて舞台に触れた方が多かった気がするんですよ。舞台のラストに客席降りをしたんですけど、僕らが近くに行くと慣れているお客様は「イエーイ」みたいな感じなんですけど、慣れてない方はペンライトで顔を隠しちゃったりして。
田村 そうそう。
滝澤 さっきまで舞台の上にいた人が、急に近くに来たってなったら、そうなるよねって。そんなお客様の素直の反応を感じました。
――原作ファンの方がたくさんいらっしゃったんですね。
田村 架け橋になれたんじゃないかなあと思っています。プリキュアが好きな人も演劇が好きな人も子どもも大人もお兄さんもお姉さんも、みんなが舞台を楽しんでくださった。家族が観にきた時に「お兄さん方がポスターの前で写真を撮ってたよ」「楽が、キュアトップがって話してたよ」と教えてくれました。僕のことは知らないけどプリキュアが好きで観に来てくれた人がいるんだなあと実感して、いろんな架け橋になれたのならよかったなって思いました。
――その反響を受けての続編決定。プリキュア５人と妖精パドドゥが続投しますね。
田村 そうなんですよ。このメンバーでまたやれるってことが、僕はすごくうれしかったです。
滝澤 僕もすごく安心しました。「ぼくプリ」はカンパニー全体がバランスが良くて、自分のためじゃなく、この作品を良いものにするために自分に何ができるのか考える力を、一人一人が持っているんですよ。稽古の時間も限られている中で、そういう意識はすごく大事。キャストやスタッフがどれだけその作品を愛せるかで、作品のクオリティは変わってくるから。それができるメンバーが集まったから、パワーを持った作品になったし、プリキュアたちが必死に頑張ったように、僕たちも稽古場で必死に希望を探していたから、これは絶対いい作品になるって、稽古中に確信していました。だからまたこのメンバーでできることは本当にうれしいです。
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