(取材・文・囲み取材撮影/小野寺亜紀、舞台写真撮影/ハヤシマコ)
©和久井健・講談社/舞台「東京リベンジャーズ」製作委員会
木津つばさ「僕たちは『東京リベンジャーズ』という作品を心から愛しています」
どん底の生活を送る26歳のダメフリーター・花垣武道(タケミチ)が、人生の絶頂期だった12年前にタイムリープし、恋人を救うため、仲間を守るため、逃げ続けていた自分の人生へのリベンジをしていく――。和久井健原作の漫画『東京卍リベンジャーズ』は、2017年より講談社「週刊少年マガジン」で連載が始まり、アニメや実写映画も公開され、累計発行部数8000万部(24年4月時点)を突破する人気作品だ。これを色濃い人間ドラマを盛り込んだ演劇として届ける第4弾、舞台『東京リベンジャーズ -天竺編-』が、森ノ宮ピロティホールで開幕。今回は悪党連合“東京卍會(東卍)”と天竺との抗争が描かれる。
全速力で走り込んでの飛び蹴りなど、ナマの舞台ならではの臨場感があり、客席まで使ってのアクションは迫力満点。過去と現在を行き来するタケミチは、中学時代に自分を認めてくれた東京卍會の総長・佐野万次郎(マイキー)や、人生唯一の彼女・橘日向の未来のために困難に立ち向かっていく。
第一作から主人公の花垣武道(タケミチ)を演じている木津つばささんは、溢れる汗をものともせず、「俺はあきらめねぇ!」と思いの丈を真っすぐな台詞に込める。過去を変えても思い通りにならないもどかしさ。絆が深かったはずの東京卍會の危機。さらにマイキーと因縁の関係がある天竺総長・黒川イザナの登場など、愛や嫉妬といったシリアスな要素も含めて物語がスピーディに展開し、目が離せない。
佐野万次郎(マイキー)を演じる松田凌さんの絶対的な安心感。東京卍會副総長・龍宮寺 堅(ドラケン)役、陣内将さんの優しさと強さを秘めた芝居。タケミチの相棒・松野千冬役の植田圭輔さんが自然に表す忠誠心と友情。さらに天竺総長・黒川イザナ役を演じる、今回初参加となった北村諒さんの静かな狂気など、それぞれが役とナチュラルに同化し、“リベステ”の世界へと誘う。
囲み取材ではキャスト5名が初日直前の意気込みや、舞台ならではの魅力について語った。
◆花垣武道(タケミチ)役の木津つばさ
「舞台『東京リベンジャーズ』はどんどん進化していく作品で、新キャストの皆さんの新しい風を感じながらやらせていただいています。やはり僕たちは『東京リベンジャーズ』という作品を心から愛していますし、お客様の作品に対する思いが回を重ねるごとに伝わってきます。演劇という形でこの作品をやらせていただくのは奇跡。舞台の板の上で一人ひとり、一つひとつが繋がっていくさまや、汗・涙・心の叫びというものは劇場でしか体験できないと思っています。ぜひ僕たちの『東京リベンジャーズ』が描く生き様を体感してください」
◆佐野万次郎(マイキー)役の松田凌
「(“リベステ”が)とても洗練されてきた印象があります。つばさも言ったように、新キャストの皆さんが新しい風を吹かせてくださり、舞台装置、演出、そういった面で情熱を忘れず、今までよりさらに効率的になりました。人数も増え、稽古の環境が整ってきたと思うし、そういう“変化”がうれしかったですね。僕はとても演劇を信じています。僕は舞台に夢を与えられた人間で、目の前で俳優たちがひとつの総合芸術を演じる感動や、言葉では伝えがたいものが届く瞬間を感じてきました。その瞬間を皆さんにも楽しみにしていただきたいです。(僕の)隣にはミュージカル版で佐野万次郎を演じた、北村諒くんがいます! 垣根を超え、手を組み、『東京リベンジャーズ』を盛り上げる力を生みだせたらと思います」
◆黒川イザナ役の北村諒
「ここまで舞台『東京リベンジャーズ』をみんなで作り上げて、熱量や絆を稽古から感じることが多かったです。凌が言ってくれたように垣根を超え、ミュージカルも舞台もやり、原作を含めて演劇界も盛り上げていけたら、という志をもちながらやっています。そういう意味では、いろんな挑戦ができるのも強み。漫画や映画では別世界をのぞき、そこに感情移入する楽しみ方ができると思うのですが、劇場で演劇をナマで観ると、汗や実際の声の響きなども体感してもらえます。そこが一番、演劇を観る醍醐味だと思いますし、僕自身すごく好きなところなので、皆さんにも楽しんでいただきたいです」
◆松野千冬役の植田圭輔
「今回ストーリー的にかなり重いというか、ジェットコースターのような感情を彼(木津が演じるタケミチ)が背負うことになり、観ていただく皆さまにかなり余韻、余波が残る作品になっているのではないかなと思います。『東京リベンジャーズ』はメッセージ性がとても強いですが、今回はそれがボンと(前に)出てくるような気がしますね。また、マイキーの松田凌くんが多くを体現してくれていて、闇堕ちがこんなに似合うやつはいないと思います!」
◆龍宮寺 堅(ドラケン)役の陣内将
「やはりナマの舞台『東京リベンジャーズ』は、ヒリヒリとした緊張感がお客さまにも手に取るように伝わるのが強み。第1弾から地続きになっていて、第4弾では物理的に存在しないものも、みんなの中に、お客様の中に“生きている”と感じながら演じているところがあります。また今回可動式のセットになり、舞台装置にも力が入っていて、演出家の伊勢(直弘)さん、アクション監督の新田(健太)さん、素晴らしいアクションチームやアンサンブルの皆さんの協力のもと、「うわーすごい!」と思っていただけるシーンもあるので、楽しみにしていただけたらと思います」
33名というこれまでより多い人数で届ける、舞台『東京リベンジャーズ -天竺編-』。8月29日の初日終演後には、2025年夏に第5弾の舞台が上演されることが発表された。
※次ページでは各キャストの舞台写真をご堪能ください!
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