「とにかく楽しみでしょうがない」会見では“演歌歌手転身”宣言も「ウソです!」

『俺節』は、土田世紀による同名漫画を原作に、演歌歌手を夢見て青森から上京した青年・海鹿耕治〈コージ〉の不器用で純情な生きざまを描く物語。キャッチコピーは「もう負げでぐねえもの。世の中とっくり返してやれるもの。」。“日本の歌”が魂に染みわたる、泥臭くも熱い人間賛歌だ。2017年の初演から約9年ぶりの上演となる今回は、脚本・演出を福原充則が手がけ、Travis Japanの松田元太が主人公コージ役に初挑戦する。
松田が演じるコージは、内気で繊細でありながら、胸の奥に激しい情熱と圧倒的な歌唱力を秘めた青年。物語は、演歌への思いを抱えたコージが上京し、ギター弾きのオキナワ、外国人ストリッパーのテレサ、流しの大野、演歌界の大御所・北野波平らと出会い、傷つきながらも「歌の心」に触れていく姿を描く。劇中では昭和の演歌や、ドヤ街、ストリップ小屋など、時代のにおいを強く感じさせる世界が立ち上がる。

初めての舞台単独主演について、松田は喜びと緊張をにじませながらも、会見ではいつもの明るさも全開。報道陣から声のハスキーさを指摘されると、「これはAlwaysです!」と即答し、場を和ませた。作品のテーマである演歌については「自分の中では新しい挑戦」としつつ、祖父と一緒にいる時に演歌を歌っていたことも明かした。稽古中に思わず「月の沙漠」が出てきてしまったそうで、「おじいちゃんのせいなので」と笑いを誘った。
さらに、演歌への愛が深まったあまり「Travis Japanをやめて演歌歌手になります!」と大胆発言。すぐさま「ウソです!チェソンハムニダ」と訂正し、会見場を温かな笑いで包んだ。松田は、同世代にも演歌の魅力を知ってもらうきっかけになればと願いを込めており、歌と芝居の両面から新境地に挑む姿勢を見せた。

相棒・オキナワ役の稲葉友は、劇中でギターの生演奏に挑戦する。役が決まった当初は不安もあったというが、稽古開始の半年前から準備を重ねてきたといい、「怖い部分もあるけど、楽しみも大きい」と充実した表情。5月に第1子誕生を発表して以降、初の公の場となった稲葉に対し、松田が「キッズだけじゃなくて、僕にもかまってくださいね!」と“嫉妬”する場面も。稲葉が「あんまり張り合うなよ。大人なんだから」と返すなど、2人の息の合ったやりとりが会見をさらに明るくした。

テレサ役のキム・チャンミは、日本舞台初出演。日本語での芝居に挑むため、稽古前から通話アプリなどを使って学習を重ねたという。好きな日本語を問われると「とりあえず生で」と笑顔で回答。まだ実際には使ったことがないといい、松田も「皆さんと一緒に、居酒屋行けたらいいですよね」と座長らしく場をつないだ。
公開通し稽古では、雪が降りしきる青森の場面から始まり、コージが歌に導かれるように人々と出会っていく物語が展開。津軽弁にも挑む松田は、普段から言葉が出てしまうほど体になじんできたという。3時間を超える大作ながら、笑い、痛み、恋、挫折、そして歌への執念が濃密に詰め込まれ、松田はコージとして舞台上に立ち続けた。(舞台写真は下部に掲載)
心が歌となり、歌が魂となって、劇場を揺るがす、『俺節』は、きれいごとだけでは生きられない人々の叫びを、演歌という形で響かせる作品だ。松田は最後に、命をかけて稽古してきたことを伝え、「とにかく『俺節』という作品を感じていただけたら」と呼びかけた。
東京公演は6月10日から30日まで東京建物 Brillia HALLで上演され、その後、福岡、大阪へと巡る。公式サイトはこちら





※エンタプレス・タブロイド版にて、『俺節』撮り下ろし舞台写真を掲載! 近日最新号発売予定です。詳細はこのページおよびXのポストにてお知らせします。お楽しみに!
