
舞台『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は、フランスのアーティスト、フィリップ・ドゥクフレが演出・振付を担当し、“現実と虚構”の二つの世界が並行する物語を、身体表現と映像表現を交えて立ち上げた。
会見で藤原竜也は約2か月の稽古を振り返り、村上作品にダンスの要素が加わったことで「とても幻想的な作品が完成しました」と手応えを語った。自身も少しだけ踊っていると言い、その出来は「100点」と笑って見せた。初日に向けては「一人でも多くの方にこの世界を体験していただけたら」と呼びかけ、キャスト一同が緊張感をもって本番に臨むとした。
今回が初舞台の森田望智は、“ハードボイルド・ワンダーランド”側の司書と、“世界の終り”側の彼女という二役に挑む。「頭を真っ白にして、二つの役を精一杯生きようという気持ち」と語りつつ、本作は「観る方によって答えが変わる作品」だと強調。二役に通底する「大切な人を失った悲しみ」を抱えた人物として舞台上にどう立つか、稽古期間中ずっと向き合ってきたと明かした。
東京公演は2月1日まで。同公演後は宮城・愛知・兵庫・福岡で上演され、さらにシンガポール、中国、ロンドン、パリを巡るツアーも予定されている。
STORY
・ハードボイルド・ワンダーランド
“組織”に雇われる計算士である“私”(藤原竜也)は、依頼された情報を暗号化する「シャフリング」という技術を使いこなす。ある日私は謎の博士(池田成志)に呼び出され、博士の孫娘(富田望生)の案内で地下にある彼の秘密の研究所に向かい、「シャフリング」を依頼される。博士に渡された贈り物を開けると、そこには一角獣の頭骨が入っていた。私は頭骨のことを調べに行った図書館で、心魅かれる女性司書(森田望智)と出会う。だが博士は研究のために、私の意識の核に思考回路を埋め込んでいた。世界が終るまでの残された時間が迫るなか、私は地下世界から脱出し、どこへ向かうのか。
・世界の終り
周囲が高い壁に囲まれた街に“僕”(駒木根葵汰/島村龍乃介)はやって来た。街の人々は一見平穏な日々を過ごしている。僕は街に入る際に門番(松田慎也)によって影を切り離され、いずれ“影”(宮尾俊太郎)が死ぬと同時に心を失うと知らされる。僕は古い図書館で美しい少女(森田望智)に助けられながら一角獣の頭骨に収められた夢を読む仕事を与えられていたが、“影”から街の地図を作成するよう頼まれる。影は街から脱出する方法を模索していたのだ。僕は地図を完成させるために、図書館の彼女や大佐、発電所の青年(藤田ハル)から話を聞き、街の正体を探るのだった。

