舞台やライブ、バラエティ番組などで活躍を続ける「ふぉ~ゆ~」と、演劇的な世界観をJ-popとダンスで作り上げる「梅棒」がコラボして生みだした舞台『Only 1, NOT No.1』。大きな話題を呼んだ2022年の初演から3年の時を経て、この夏、再演となった。歌舞伎町のホストクラブWHITE NIGHTに集った寄せ集めホストたちを演じるふぉ~ゆ~の福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介と、今回新しく歌舞伎町の女王を演じることになった紅ゆずるが、熱く語り合った。(撮影/増田慶、文/臼井祥子)
紅ゆずるも「トゥクストゥール!」の洗礼を受ける!?
――ふぉ~ゆ~の皆さんに、初演の時の思い出をお聞かせください。
福田 一番思い出に残っているのは、すごい運動量だったこと。特にこっしー(越岡)とマツ(松崎)は冒頭から出るから、僕たち(福田と辰巳)が登場する中盤ごろにはもうへとへとになってるくらいの運動量で、僕らも幕が降りるころにはへとへとになるので、二人の運動量は相当なものだったと思います。カンパニー全体がそうなので、つらいけど青春って感じ。熱い舞台でした。
辰巳 思い出、ありすぎるんですけど、一番はあれかな。名古屋公演の最終日、大千穐楽でマリカ役の(綺咲)愛里ちゃんが体調不良で出られなくなってしまって、代役を(作・演出の伊藤)今人さんがやったことです。愛里ちゃんの悔しい思いを僕らは汲みつつ、やらないという選択肢ではなく、今人さんがヒロインを演じるという選択をしました。僕が恋する相手だったのでマリカをお姫様抱っこするシーンがあったのですが、そこは僕がお姫様抱っこされることになって、会場の盛り上がりがすごかったです。こうやって最後まで駆け抜けるんだなと、真骨頂を見た思いでした。
――今人さんのマリカはいかがでしたか?
辰巳 めちゃくちゃかわいかったんですよ。全然(今人さんに)恋してました。カンパニーみんなで作り上げてきたものがあって、作品への信頼があったからだと思います。
越岡 僕は「氷バケツ」が印象深いです。梅棒さんの舞台を見に行って、バックステージにご挨拶に伺ったら、氷と水を入れた大きなバケツが用意してあって、みんな終わった瞬間そこに入りに行くんですよ。前回の公演では僕たちの分も用意してくださって、キンキンに冷えた氷バケツを経験できてうれしかったです。
松崎 僕とこっしーは毎年『Endless SHOCK』に出てたから、そこで基礎的なものをずっとやってきたので、スタミナがついていたんじゃないかなと自負しています。でも僕は、氷バケツは途中でやめてしまったんですよね。寒いの苦手で、実はサウナに行っても水風呂が苦手なんですよ。あれ、入れます?
紅 えー? 入らないんですか? 私、全然行けますよ。
松崎 マジ?
紅 大好きです。名古屋に水風呂がマイナス25度の有名なサウナあるじゃないですか。。名古屋公演の時に行きたいなと思っているんです。
辰巳 みんなで行きたいですね。
松崎 みんなとなら行く!「あー!」って言いながら入るよ。
全員 (笑)
ふぉ~ゆ~
――紅さんは、前回の公演をご覧になって、いかがでしたか?
紅 めちゃくちゃハードやと思いました。動きは全部カウントで決まっているのかな? ダンスで表現するとあんまり気持ちが飛んでこなかったりするんですが、この作品は、全面的に飛んできたのでびっくりしました。すごく人気公演だとも聞いていますし、そこに入らせていただくのは光栄です。
――今回の公演にはどんな思いで挑まれますか?
辰巳 前回、梅棒スタイルに馴染むのに1、2週間くらい時間がかかったんですよ。ノンバーバルでダンスで物語を紡ぐという梅棒さんのやっていることを僕らが再現したら、全部サインになっちゃって。「それはやらないでください」「お客さんに想像をさせてあげてほしい」と言われました。今回はそういう部分を知った上で始められるから、役へのアプローチをより濃くできそうです。
福田 セリフはないけど、みんな心の中ではそれぞれにセリフを言ってるよね。口から出さないだけでおしゃべりしてる。そうなるまでに時間がかかったけど、今回は飛び級できるから、お客さんにも声が聞こえてくる可能性があるよね。「あれ? なんで聞こえてるんだろう?」って現象が起きるかもしれない。第六感的なものがあふれそう。新しい能力を手に入れたくらいの気持ちで挑みたいです。
辰巳 (福田に)トーンはちゃんとしてるけど内容が(笑)、途中から楽しくなってるでしょ?
福田 最初からだよ(笑)。
越岡 (笑)。ええと、質問はなんでしたっけ?
福田 今回はどんな超能力をゲットしたいですか?だよ。
辰巳 違うよ(笑)
紅 はぁっ!(笑い声)
越岡 意気込みは二人が割と話したので、僕は別の話をしますね。前回赤っぽいスーツを着ていたら汗染みが目立っちゃって、途中から中にペットシーツを貼っていたんです。今回はそれがわかっているので、最初から貼っておきます。
辰巳 スタッフさんにも知れ渡ってるもんね。こっしーにペットシーツが必要だって。
福田 稽古場から必要だよね。
辰巳 いろんな会社のペットシーツを試してみるといいよね。どれが一番吸うか。
福田 猫砂もいいんじゃない?
松崎 猫砂吸わないよ。
福田 吸うよ。吸う吸う。
越岡 いろいろ検証してみます!
松崎 今回、2曲くらい新しい曲が入るかもしれなくて、振付も変わってくると思います。それによって前回ご覧になった方の感じ方も変わるでしょうし、今回初めてご覧になる方にも絶対面白い作品になっていると思います。まだ決定じゃないですか新曲を聞いて、作品の世界観が広がったことを感じています。稽古場でも今人さんに「どうやってやる?」「うん?」「そう来たか」と脳内に語りかける感じでやりたいです。「ういっす!」って感じで。
越岡 どんな感じだ?(笑)
松崎 よし。ふうっ! じゃあ、お願いします(紅に話を振る)
紅 はぁっ!(笑い声) こういう場ってちゃんとしたことを言わなきゃいけないんだろうなって気負ってしまうんですが、ほんまにその必要がないんやなって皆さんが感じさせてくださって……、私も面白い人枠ではあるんですけど、今、全然食われてます(笑)。
辰巳 そんなことないですよ(笑)。
紅 全然まだまだやなって思って、その点も修行を重ねたいと思います!
松崎 じゃあ今年一緒にM1出ます?
福田 入ります? ふぉ~ゆ~。センターで。
紅 ほんまに?
辰巳 ふぉ~ゆ~ずる!
紅 はぁっ!(笑い声)。それにはもっと磨かないと。
紅ゆずる
――夏の公演ですが、この夏プライベートでやりたいことはありますか?
松崎 この5人でなら、僕はみんなで夏祭りに行きたい。
福田 いいねえ。僕はバーベキューやりたい。
越岡 花火見たいな。
松崎 楽しそう。
辰巳 僕はやっぱり、今まで見てきた演劇で何が一番感動したかとか、演劇についての話をしたいです。
福田・越岡・松崎・紅 おお!
福田 場所はどこがいい?
辰巳 やっぱ居酒屋でしょ(笑)。
紅 楽しそう。私はみんなでサウナ行きたいです。
福田・辰巳・越岡・松崎 行きましょう!
――ご自分がオンリーワン、もしくはナンバーワンなことは?
紅 トークだと思っていたんですけど、今日皆さんとお話しして、全然無理だなと気づいたので、うーん「ほっとけない感じ」かな。よく言われるので。
福田 僕はメンバー内で一番観葉植物を育ててます。どれが一番かは、一つ言っちゃうと他の子たちが悲しむんで……エバーフレッシュです!
辰巳 エバーフレッシュ、いいよねえ。僕はみんなが言ったことを一番よく覚えてることかな。
福田 気にしいだからね。
辰巳 稽古で自分へのダメ出しだけじゃなくて、ほかのメンバーへのダメ出しも全部覚えてます。
越岡 僕は寝つきがいいです。
辰巳 マジです。
越岡 10秒位くらいで寝られます。(辰巳)雄大としゃべってる最中に寝てます。
辰巳 会話したまま寝ちゃったことがあります。
越岡 多々あります。
松崎 僕のオンリーワンなところは、「トゥクストゥール!」です。
紅 それはなんですか?
松崎 僕がずっとやってる一発ギャグみたいなものなんですけど、『北斗の拳』で秘孔を突いた時に出る声を自分なりに言葉にできないかと試行錯誤して生まれた言葉です。
紅 (笑)。さっきも言ったのですが、自分のことを面白い枠だと思っていたんですよ。でも私のトークには起承転結もないし、あまりにもふぉ~ゆ~の皆さんが面白すぎて自信をなくしました。本当に皆さん、いい意味で日本人っぽくなくてすごく面白いですよね。
福田・辰巳・越岡・松崎 ありがとうございます!
――ふぉ~ゆ~の皆さんは、紅さんのどんなところに魅力を感じていますか?
松崎 正直お会いするまでは怖い方なのかなって思ってたんですよ。でも180度印象が変わった。すごく爽やか。『セーラームーン』や『ドラゴンボール』時代で。
辰巳 世代ね。時代じゃなくて。
紅 はぁっ!(笑い声)
松崎 世代も一緒ですし、いろいろおしゃべりできそうです。
福田 いやー緊張してしまうくらいの美しさで、本当にさすがだなあっていう感じです。
辰巳 僕が驚いたのは、朝晩ウオーキングをされているってこと。その意識の高さに憧れます。
紅 公演中も歩いてます。
辰巳 マジですか? 自分も見習いたいです! 最後、こっしー締めてね。
越岡 僕は…笑い方が面白いところです。そこがとても魅力的。
紅 (笑)。普段こういう笑い方しないんですよ。皆さんが面白すぎて、詰まっちゃって。
越岡 一発で出ますもんね。はぁっ!って。
紅 全部こめてます。
――その紅さんの魅力を引き出しているのは、皆さんなのですね。
福田・松崎 おお。
越岡 だったらうれしいです。
辰巳 でも慣れていただかないと、ノンバーバルできないかもしれない。しゃべっちゃいけないところで笑っちゃいそう。
全員 はぁっ!(笑い声)
ふぉ~ゆ~ meets 梅棒『Only1,NOT No.1』
7月13日~8月3日 東京・日比谷シアタークリエ
8月9日~8月10日 愛知・岡谷鋼機名古屋公会堂
作・総合演出:伊藤今人(梅棒)
振付・監修:梅棒
出演:福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介(ふぉ~ゆ~)
梅澤裕介、鶴野輝一、遠山晶司、櫻井竜彦、楢木和也、天野一輝、野田裕貴(梅棒)
小野礼実、湊江梨奈、豊田由佳乃、柳沢佳純
佐々木莉佳子、HideboH、紅ゆずる