田村「ずっと和合真一に魅せられてたい」
――プリキュアのもう一人、キュアブレイク・黒瀬舞人役の小辻 庵さんはいかがでしょうか?
滝澤 チワワです。
田村 なんで動物でたとえるの?(笑)
滝澤 小型犬でよく吠えるし、でもチワワを嫌いな人いないじゃないですか。僕の中で頼我と庵って犬コンビなんですよね。そのペア感も含めて、僕は二人が好きなんですけど。あと、庵は本当に平均値が高い。僕らプリキュアの中で一番難しいジャンルのダンスをやってる。
田村 ブレイクダンス、すごいよね。
滝澤 見た目は飄々としていて、ちょっかい出したら「やめてくださいよ」ってツンケンしてるように見える反応もするけど、ステージに出てるものを観たら、絶対努力してる人だって伝わるし、すごく真面目でかわいくて、愛せるチワワって感じです。
田村 僕はスポンジみたいな子だなって思ってます。彼を見ていると、昔の自分を見ているみたい。同じような作品を通って同じくらいの年代にデビューしてるので。
滝澤 何歳違うんだっけ?
田村 7歳くらいかな。小学校も被んないくらい離れてるんですけど、デビューした当時の自分を見てる気がするんです。その時の自分はスポンジになるしかなかったんですよ。素直に必死にやるしかなかった。そこで不貞腐れたり、曲がらずに努力できるって才能だなと思うから、その時の自分を僕は誇っています。彼もやっぱりそういう素直で必死な努力をしてるから、すごくいい子だなと思っています。それと、賢いんですよ。自分の立ち位置も役割もわかってる。だからイビルダンサー(ぼくプリに登場する、絶望が深まって闇のリズムに取り込まれてしまった人間)みたいなのに絡まれないでほしいなと思います。
滝澤 スポンジって良くも悪くも全部吸収しちゃうからね。
田村 本当に。素敵なことに出会っていってほしい。お兄さんとしては。
滝澤 僕たちが5年後、6年後に「あいつらイビルダンサーだったんだな」って言われないように振る舞いたいね(笑)。
田村 そうだね(笑)。
――パドドゥ役の和合真一さんはどんな人ですか?
田村 …たぶん、皆さんが思い描いているのとあんまり変わんなくない?
滝澤 うん。変わんないし、僕らにも本質見えないんで、それがやっぱ和合真一のすごいところだな。
田村 素の部分は、僕らにも見えないんですよ。ずっとエンターテイナー・和合真一でいてくれるので。わごちゃんは、目を離してる時にスッとこう一点を見つめてるので、ああこれが素なのかなと思いながら「わごちゃん」って声をかけたら、(テンション高く)「なーに!しょうごたーん!」ってやってくるんで。でもいいんです。それでいいんだと思います。言い方難しいですけど、みんなが和合真一に騙されている。僕もずっと騙されていたいです。
――我々が舞台で見ている和合さんは、皆さんが稽古場で見ているものと同じものですか?
田村・滝澤 同じです!
田村 舞台裏でもずっと。
滝澤 なんていうか、頭の後ろがない。こう後ろを向いても和合さんの顔がある。それくらい裏表のない人。
田村 これだけずっと一緒に舞台やってるのに、わごちゃんはずっと和合真一でいる。僕らにも素を見せてくれない。家に監視カメラをつけたいなって思います。
滝澤 見たいようで見たくないような。
田村 そうね…。そう。だから見たくないんですよ。騙されてたいんです。
滝澤 うん。魅せられてたい。
田村 そうそう。ずっと和合真一に魅せられてたい。
滝澤 常に陽。明るくて楽しくて、「ぼくプリ」の世界観を作るのにピッタリな人。
田村 わごちゃんなくて「ぼくプリ」はない。ありがとう和合真一。
――本当に妖精なんですね。
田村・滝澤 そうですね。
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