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Stage INTERVIEW

劇団☆新感線『天號星』に臨む、いのうえひでのり×古田新太×早乙女太一×久保史緒里

劇団☆新感線の新作、いのうえ歌舞伎『天號星』が9月~11月に東京と大阪で上演される。元禄の世で古田新太さんと早乙女太一さんの役の身体が入れ替わる、奇想天外な本格バトル時代劇。いのうえひでのりさん、古田新太さん、早乙女太一さん、久保史緒里(乃木坂46)さんが今作の見どころなどを語った。
(取材・文/小野寺亜紀、撮影/西木義和)

中島かずきさん書き下ろしの『天號星』は、江戸の町で裏稼業に生きる人々を、“池波正太郎風エッセンス”も加えて描いた時代活劇。これまで何度も劇団☆新感線(以下、新感線)に出演してきた早乙女太一さん・早乙女友貴さん兄弟が、揃って古田新太さんと初共演するのも話題だ。さらに乃木坂46のメンバーで、舞台『夜は短し歩けよ乙女』などに出演してきた久保史緒里さん、キレのあるアクションで注目を浴びる山本千尋さんが新感線に初めて参加する。

古田新太
早乙女太一
久保史緒里

劇団主宰・演出のいのうえひでのりさんは、「新感線では久方ぶりにチャンバラが見せ場の芝居になる。古田と太一くんが入れ替わることで起きるドタバタあり、サスペンスタッチのシーンもあり、最後はスカッと終わる感じになると思います」と、新感線の王道が味わえることを明かした。

いのうえひでのり

古田さんが早乙女兄弟について、「二人とも似てるけどキャラがちょっと違うんで、役者としておもしろい」と言えば、早乙女太一さんは「久しぶりの新感線、古田さんがいてくれてなおさら嬉しい。僕は新感線に憧れて殺陣を始め、弟にもそれを伝えて彼も新感線が好きになったので、僕たち兄弟にとって夢の場所です」と感慨深い様子。また早乙女さんは「今の弟は身体の動きの仕上がりが年齢的にもすごくいい。僕はこれから少しずつ落ちていくだろうから、兄弟にとってベストタイミングなのかも」と笑ってアピールした。

劇団☆新感線に乃木坂46から初参加となる久保史緒里さんは、古田さん演じる引導屋の主人・藤壺屋半兵衛の娘で、神のお告げを伝える踊り巫女「神降ろしのみさき」という役。いのうえさんいわく「乃木坂46では歌っていないタイプの歌を2、3曲歌ってもらう」そうで、歌唱力を活かしたパフォーマンスに期待が高まる。久保さんは「稽古が始まると皆さん温かい雰囲気で迎えてくださり、あとは自分がひたすら頑張るのみだなと思います。チャンバラの勢いがある物語のなかで、私はあまり殺陣もなく、ちょっと違った色の役になるので、作品のエッセンスになれるように頑張りたいです」と意気込む。

また、古田さんから「しーちゃん(久保)とはまだそんなに稽古で一緒になることがないけど、ちーちゃん(山本千尋)は結構同じシーンが多く、おいらのこと“おとっつぁん”と呼んでるから、しーちゃんも頑張って“おとっつぁん”と呼べるように(笑)」と言われた久保さんは、「一歩出遅れたので頑張ります」と笑顔。「二人(久保&山本)の顔写真が入ったTシャツをいつか古田さんに着てもらおうという作戦が進んでいます!」と距離を縮める計画も打ち明け、場を和ませた。

今作は、生きてはならない輩に引導を渡す藤壺屋半兵衛(古田)と、冷酷無比なはぐれ殺し屋 ・ 宵闇銀次(早乙女太一)の入れ替わりが物語のポイント。古田さんは「台本を読んでるとどっちがどっちか分からなくなる。太一は手練れの殺し屋で、おいらは元締めではあるけど元大工でサムライでもないから、太一がおいらの身体を手に入れたところで戦えない。おいらは太一の身体を手に入れても、中身は大工のおじさんだから戦えない。どっちも弱くなる」と話すと、早乙女さんは「古田さんとそういうふうに遊べるのもなかなかないんで楽しい」と笑う。

ただ最終的に二人の役は、入れ替わった身体に慣れていき強くなるという展開らしく、古田さんが「なんだそれ!」と台本につっこむ一幕も。「みんな戦い方のスタイルが違うし、いろんなパターン(組み合わせ)になるので、後半になるにつれ余計に楽しく見れるんじゃないかな。結構卑怯な手も使ったりして、そこも見せ場です」(古田)。「入れ替わりからまたどんどん変化し、いろんな種類のアクションが見れます。山本千尋さんは刀をくるくる回すなど身体能力が高く、アクロバティックな派手な立ち回りになってます」(早乙女)。

「新感線にしては久しぶりに、客席を多用したライブ感のあるステージになるので、そこも楽しみにしていただきたい」(いのうえ)ということで、大いに期待して開幕を待とう。

2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演
いのうえ歌舞伎『天號星(てんごうせい)』

東京公演/2023年9月14日(木)~10月21日(土) THEATER MILANO Za(東急歌舞伎町タワー6階)
大阪公演/2023年11月1日(水)~11月20日(月) COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホール

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太 早乙女太一 早乙女友貴
久保史緒里 高田聖子 粟根まこと 山本千尋/池田成志
右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋
山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ
村木 仁 川原正嗣 武田浩二 ほか

公式サイト http://www.vi shinkansen.co.jp/tengohsei/

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