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Stage INTERVIEW

戸塚純貴、「竹生企画」第四弾『マイクロバスと安定』に出演!「生瀬さんと竹中さんに、存分に振り回されたい」

竹中直人と生瀬勝久がタッグを組み、倉持裕を作・演出に招いて作り上げる「竹生企画」の第四弾『マイクロバスと安定』が11月に東京・本多劇場 他で上演される。3年後に小惑星が地球に衝突し滅亡すると発表された後の世界で生きる人々の物語だ。本作に初めて参加する戸塚純貴に話を聞いた。
(撮影・文/臼井祥子 ヘアメイク/中島康平 スタイリスト/鬼塚美代子)

「芝居をして汗をかくってものすごく気持ちがいい」

――生瀬さんからお誘いがあったそうですが、その時のお気持ちは?

生瀬さんは公私共にお世話になっている、尊敬している役者の先輩です。いつか舞台で共演したいと思っていましたし、生瀬さんからもドラマで共演して「また一緒にやりたいね」と言っていただいていたので、「ついに来たか!」「念願かなった」という気持ちでした。竹中直人さんと生瀬勝久さんという演劇界を築き上げてきたお二人のユニットである竹生企画に参加させていただくのは身の引き締まる思いですし、自分に何ができるかなと楽しみに思いました。

僕は映像の仕事が多いですが、舞台もとても好きなんです。一か月くらい時間をかけて稽古をして、共通言語を作り上げる。きっと普段僕と遊んでくださっている時の生瀬さんとはまた違う、もっと濃い俳優としての姿を見せてくださるでしょうし、そういう時間を同じ役者として共に過ごせることは、とても光栄なことだと思います。

――生瀬さんにはどうしてお声がけがあったのか、理由は聞かれましたか?

どうしてかは聞いてないです。でも生瀬さんは僕に「昔の自分と似ている」と言っていました。それが槍魔栗三助(※生瀬勝久の旧芸名)時代の話なのかはわからないですけど、その頃の写真や20代の時の宣材写真を見ると、確かにどことなく僕に似ているんですよ。表情の作り方とか佇まいが。生瀬さんと僕に、何か重なるものがあるのかなと勝手に思っています。

――竹生企画についてはどう思っていますか?

拝見したことがないのですが、僕の中で生瀬さんと竹中さんは正反対のタイプに見えるんですよ。このたとえが合っているかわからないのですが、「服を脱げ」っていう竹中さんと「服はちゃんと着なさい」という生瀬さん、というくらい両極端なお二人じゃないかと。そういうお二人だからこそユニット演劇を作っている意味があるだろうし、そこに自分が入っていくのはすごく楽しみで、ちょっと怖いです。丸裸にされそうで(笑)。でも、やっぱり楽しみ。存分に振り回されたいな。

――もともと舞台はご覧になっていましたか?

この仕事を始めるまでは観てなかったです。学生時代は盛岡に住んでいたので、あまり盛んに演劇をやっているような環境でもなくて、触れる機会がなかったんです。東京に来てこの仕事を始めてから、観るようになりました。

ジュノンボーイのメンバーで作った「劇男JB」の舞台の後、本格的な初舞台は2011年、シアターモリエールで上演した『ゴジラ』という作品でした。あの頃は小劇場で結構いろんな舞台に出演させていただいていました。めちゃ楽しかったです。2時間くらいの演劇を生でやる高揚感と緊張感。普段の生活では味わえない感覚ですよね。何より汗の量がすごい。芝居をして汗をかくってものすごく気持ちがいいんですよ。

小劇場って密度が高いから、お客さんとの距離もすごく近くて、表情もすごくよく見える。笑ってる人、笑ってない人、寝てる人もいて(笑)、それがまたすごく楽しかった。千本桜ホールで徳尾(浩司)さんと舞台をやったことがあって、楽屋が舞台裏のみで、めっちゃ静かにしていないといけない。休む場所もないんです。あの当時は窮屈できつかったけど、今思い出すとそれがちょっとおかしい。ひしめき合って息を殺して出番を待っていたんですよね。

――戸塚さんは普段は映像でのお仕事が多いですが、コンスタントに舞台に出演していらっしゃいますね。

仕事の比重は確かに映像のほうが多いです。でも舞台はやっぱり作る作業、作品への向き合い方が映像と違っていて…。舞台は、みんなで時間をかけて丁寧に作っていくんですよ。俳優として芝居をしていく上で、映像だけ続けていると自分のやり方がわからなくなっていくことがあって、舞台に立つことでそれがよみがえってくるんです。基礎的なこと、基本的な形、表現として大切にしなきゃいけない軸。見失っていたものがよみがえってきて、新しい学びになる。演劇をしていると、それを肌で感じることがあります。

――それは、具体的にはどんなことですか?

単純なことです。たとえばセリフをお客さんに聞かせるときに、映像だとボソボソ言ってもマイクが拾ってくれてそれっぽく聞こえたり、編集でいかようにもできる。人の感情表現もわかりやすく映してもらえる。それが映像の良さだし、すごいところなんですが、生でお芝居をしていると、たとえば悲しい芝居であまり声を張れないような心情で言うセリフでも、多少は音圧がないといけない。お客さんにセリフが聞こえないと意味が伝わらない。役の感情を大切にしながらも表現の仕方できちんとお客さんに届ける。そういう基礎的な部分がおろそかになってはいけないなと思っています。

舞台は芝居が大袈裟すぎるとか、逆に映像芝居でボソボソしゃべって何言ってんだかわかんないとか、そんなふうにジャンル分けされてしまうことがあるんですが、そういう言葉で一括りにされるのが嫌だなと思って、だったら僕はどっちもできるようになりたい。その作品にとって効果的だったら、どちらも必要なものだと思うから、そういう意味での基礎とか、どこに立っていても順応できる、そのものになれる俳優でいたい。

――『マイクロバスと安定』に出演して、さらに俳優さんとしての幅が広がっていくのですね。

もちろんそうなっていたいと思います。

――もし戸塚さんが今後「竹生企画」のように、どなたかとユニットを組んで演劇をやるなら、どなたとやりたいですか?

役者さんじゃない人とやりたいです。僕は音楽が好きで、ヒップホップを聞くんですけど、PUNPEEさんっていう大好きなアーティストさんがいるんです。その人と芝居がしたいです。PUNPEEさんの奥様が秋元才加さんで、この間、才加ちゃんと共演する機会があって、そんなお話をしたんですよ。「えーマジですか? じゃ、本人に伝えておきます」と言ってくれたので、いつか実現することを楽しみにしています。

「竹生企画」の第四弾『マイクロバスと安定』は11月8日(土)、東京・本多劇場を皮切りに、兵庫、広島、熊本、岩手、青森、新潟にて上演される。詳細は下記公式サイトにて。
https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/takenama-4

 

 

 

 

 

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