新感線45周年分の作品のセルフパロディ&オマージュがてんこ盛り! 劇団員&元劇団員が大集合!
35周年の音楽イベント『新感線MMF!』以来、劇団員・元劇団員が大集合。看板俳優の古田新太さん、高田聖子さん、粟根まことさんに加え、6年ぶりに新感線出演となる橋本じゅんさん、8年ぶりの羽野晶紀さん、5年ぶりの橋本さとしさんなど、劇団を支えてきた面々が一堂に会し、45周年を祝う。さらに新感線を熟知したゲスト、小池栄子さん・早乙女太一さん・向井理さんも顔を揃え、笑いや歌、踊り、立ち回り満載の公演を届ける。
新感線を知り尽くしたゲスト!? 左より早乙女太一さん、小池栄子さん、向井理さん
劇団が45周年を迎えたことについて、いのうえさんは「過ぎてみればアッという間。もともと劇団を大きくしていこうとか、展望があって続けてきたわけではなく……」と、目の前の一本一本をこなすなかで、ここまできたと振り返る。懐かしいメンバーも集まる今回は、座付き作家の中島かずきさんと、「お祭り感のある演目にしたい」と話し合い、歌舞伎の大名作『忠臣蔵』を上演するため芝居作りに奔走する、江戸時代の演劇人の物語が誕生した。
歌舞伎の名シーンをリスペクトする劇中劇が展開し、新感線45周年分の作品のセルフパロディ・セルフオマージュが詰め込まれている本作。「(新感線の)作品のことを知らなくても話は普通に進むので、過去の作品を観ておかなきゃ、みたいなことはないですよ」(いのうえ)とのこと。ただし「この作品を観ても『忠臣蔵』のことはわからないので(笑)、最低限の『忠臣蔵』の知識は知っておいてもらうほうがいいかな」と伝えると、ほかの参加者も笑顔でうなずいていた。
古田新太さんは、「役どころは幕府に逆らっている闇歌舞伎の座長。劇中劇でいろんな役をやるけど、どれも自分に近づけようとしている人で、全部弾兵衛じゃねえかよって。何役もやる必要があるのか、これはおもしろいのか――まあ確かめにきてください」と古田節でコメント。劇団員が大集結した稽古場は、「芸大(劇団☆新感線の誕生の地、大阪芸術大学)の学食みたいになってます。楽しそうですよ」と明かした。
古田新太さん、いのうえひでのりさん
小池栄子さんは、江戸で花形役者になるのを目指す「猪突猛進でとても活発な女の子」の役だという。「台本を読むとめちゃめちゃ楽しいけれど、やると見るとでは違います。稽古を重ねて、もっと体力をつけなければ。啖呵を切ったり、走り回ったり、殺陣やアクションがあったりという役で、台本を読んだときは12歳から15歳ぐらいの若い役だと思いました」と言うと、古田さんが「栄子、何歳だっけ?」、小池さん「45(歳)。かずきさん鬼だよね、と思いましたけど、やりがいはあります」といった掛け合いも!
2009年『蛮幽鬼』以来の女形を新感線で披露する早乙女太一さんは、「台詞の言い方や振付などご指導いただいているので、それに沿ってできたら」と意気込む。また、小池さんと新感線で14年ぶりの共演となることに触れ、「あのとき(『髑髏城の七人』)、僕は19歳。ちょっと思春期と言いますか、ひねくれ小僧で、目も合わなかったんじゃないかな……」と言うと、小池さんは「会話もなく、部屋にこもる、っていうね。こんなに笑うようになったのが、すごくうれしくて!」と喜んでいた。
向井理さんは、「劇団の座付き作家と、幕府の若年寄でエンターテインメントを押さえつける側という、対極の二役をやらせていただきます。ある意味、物語を動かす役。脚本家の役は演じたことがないですが、かずきさんの思いがすごく乗っているキャラクターになっていると思います」と、重責をかみしめる。また本作の見どころについては、「結構、長時間になると思いますが、それを感じさせないスピード感になりそう」と語った。
小池さんは、父親役が橋本じゅんさんということで、「久しぶりにめちゃめちゃ熱いじゅんさんを、今稽古場で見ています。やれることを全部出し切り、顔芸もあり、それこそ轟天ファンの方も喜べる〝じゅんさん〟が見れると思います」と言うと、古田さんが「顔芸は栄子も負けてないよ!」とつっこむ。
続けて小池さんが、「親子なんだなと感じていただきたいと思って、(橋本さんを)参考にさせていただいてます」と言うと、早乙女さんは「僕、じゅんさんの芝居を見ている、小池さんの顔を見るのが好き。親子の感じがあって、見ていて楽しい」と、お気に入りポイントを打ち明けるなど、絶妙なラリーが続く、明るい合同取材会となった。
最後にいのうえさんは、「新感線というと、いのうえ歌舞伎がメインのようにお客さんには知られていて、シリアスでドラマチックな話が多かったりするわけですが、近年、コロナのときに途中大阪で終わった、『月影花之丞大逆転』という、オマージュ満載のネタもの的な作品がありました。久しぶりにそういうテイストで45周年を迎えられるのが幸せ。その楽しさをぜひ皆さんにも感じていただきたいです」と、新感線の真骨頂のおもしろさが詰まった作品であることをアピールした。
2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演
チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎
『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』
松本公演/2025年9月19日(金)~9月23日(火・祝) まつもと市民芸術館
大阪公演/2025年10月9日(木)~10月23日(木) フェスティバルホール
東京公演/2025年11月9日(日)~12月26日(金) 新橋演舞場
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太 橋本じゅん 高田聖子
粟根まこと 羽野晶紀 橋本さとし /
小池栄子 / 早乙女太一 / 向井 理
右近健一 河野まさと 逆木圭一郎
村木よし子 インディ高橋
山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル
中谷さとみ 保坂エマ
村木 仁 川原正嗣 武田浩二 ほか
公式サイト:https://www.vi-shinkansen.co.jp/bakuretsu45/