橋本「ステッカー巡りしよーって、渋谷を連れ回しました」

――稽古場の様子はいかがですか？　和気あいあいとしているのか、ピリピリすることもあるのでしょうか。

寺田　ピリピリはしてないよね？

橋本　うん。ピリピリはしてない。

寺田　まだ青学(せいがく)は青学(せいがく)でかたまってる感じはあるかな。

橋本　僕たちは、まだチャレンジャーだと思うんです。僕が一番刺激を受けた不動峰公演の学さん（熊沢 学／橘 桔平役）や、六角や立海の皆さんは、僕らにとってテニミュの先輩なので、ちょっとまだ恐れ多いというか、近づきがたい部分があります。皆さん本当に優しくて「ごはん行こうね」とか言ってくださるんですけど。

寺田　あと一歩って感じです。何かきっかけがあればめちゃめちゃ仲良くなれそう。

――稽古で苦労していることは？

橋本　苦労ですか？　友哉です。

寺田　僕なの？

橋本　（笑）。苦労っていうか、あの、基本的に青学(せいがく)をまとめるのは部長である手塚役の役目だと思うんですよ。だから友哉は頑張ってくれてるんだけど、たまにパニクって「どうすればいい？　どうすればいい？　どうすればいい？」と聞きまくった後に、一人で端っこに行ってへこんでるみたいなことがあるんで。

寺田　うん。ある（笑）。僕は自分から「やるぞ」ってみんなに声をかけるタイプじゃないんですよ。だからみんなの前でいざそういうことをやろうとした時に何かトラブルがあるとどうしたらいいのかわからなくなっちゃう。そうすると頼れるお兄さん方が助けてくれるので、あまり無理して部長をしすぎなくてもいいかなと最近思うようになりました。

橋本　仕切ってる時、顔が怖いもんね。いっぱい考えて考えすぎて「やるぞ」ってなってるから、「友哉、怒んないよ」「キレない、キレない」って声をかける。

寺田　「キレてないよ」って言うと、「顔怖くない？」って言ってくれて、僕の緊張をほぐしてくれます。

――SNSで、お二人が「渋谷デートした」と書いているのを拝見しましたが、よく一緒に出かけるんですか？

橋本　あの日は、僕が新しく買ったタブレットに貼るステッカーを買いたくて、「ステッカ巡りしよー」って友哉を誘って、渋谷の街を連れ回しました。

寺田　連れ回されました。楽しかったね。初めて二人でお出かけして。

橋本　ケバブ食べたよね。

寺田　イルミネーションも見て。

橋本　立派なデートみたいなことをしました！

――それで、より距離が縮まった感じですね。

橋本　だいぶ縮まりました。最初の頃は、僕はあまり友哉と話してなかったんですよ。僕は誰とでも話すほうなんですけど、友哉とは、単にダンスの立ち位置が離れてることが多くてしゃべる機会がなかったってだけなんですけど。それなのに、たまたま電車で一緒に帰った時に急に「ゆうくん。僕、ゆうくんに嫌われてると思ってた」って言いだして。

寺田　（笑）。恥ずかしい。

橋本　え？　なんで？と思って。「ゆうくん、僕と話さないからさ」「いや話さないんじゃないよ。そばにいる人と話してるから。友哉いつも遠いじゃん」「嫌われてると思ったからさ」「全然嫌ってないから」みたいな会話をしました。ほんと、最初の頃だったから、友哉もいろいろ悩みを抱えてて、それを聞いて「大丈夫だよ」って僕が言って。

寺田　本稽古が始まって、３日目か４日目くらいだったよね。僕は、部長だから自分のことだけじゃなくチームのことも考えなきゃいけないとか、でもパフォーマンスがちゃんとできてないとか、手塚は左利きだから慣れない左手でやらなきゃとか、いろんなことで頭がいっぱいで、そういう中で、自分は誰と話してないかなって見回してみたら、「あ、ゆうくんと話してない」って気がついたんです。もしかして部長らしくあろうとしすぎていて、あんまりでしゃばりすぎると嫌われちゃうかも、とか思っている時に、たまたま一緒に帰ったので、緊張したんですけど、ぶっちゃけて「僕のこと嫌い？」って聞いてみたんです。そしたら「全然そんなことないよ」って言ってくれて。

橋本　嫌いなわけがない。

寺田　その時に「部長として手塚国光として頑張らなくていいから、寺田友哉として僕たちに接してほしい。そのほうが僕たちの部長だから」って言ってくれたのが、もうずっとここ（胸を差して）にあって、今後、僕が手塚をやっていく上での指標というか、根本になる言葉をもらいました。「ああ、そうなんだ。じゃあ、僕、大丈夫だ」と思えて、その言葉があったから、今でもたまにちょっとアワアワするんですけど、それでもいい意味で何も考えずにいけてます。ありがとうございます。

橋本　僕、たまにいいこと言うんですよ（笑）。

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