ライト兄弟の弟、オーヴィル・ライトを演じる3人が、語りつくす!
――この舞台に出演が決まった経緯を教えてください。
鈴木 いろんな積み重ねがあったので、一言で語るのは難しいのですが、(石丸)さち子さんが「私はまだ挑戦を諦めない」って、新しいことをやりたいとおっしゃっていたところからいろんな話を聞いていました。そういう流れの中で去年の夏ぐらいに僕が出ることは決まっていて、「取材旅行に行ってきた」「オーディションを開く予定」など、いろいろと聞いていました。出演が決まった方々には僕が知らない役者さんのお名前も出てきて、もうずっとワクワクが続いていました。
――企画の初期の段階から石丸さんの相談相手だったのですね?
鈴木 そうですね。「(工藤)広夢くんになった」「え! 広夢くんってあの子ですよね?」みたいな話もしました。
工藤 そうだったんですね。僕はオーディションを経て、出演が決まりました。オーディションを受けようと思ったのは、さち子さんが演出だったからなんです。僕は7年くらい前にダンスからこの世界に入って、5年前に初めてさち子さんの演出作品に出演しました。それまではミュージカルに出ていても、ダンスが自分の主軸にあって、歌や芝居にも挑戦させてもらってるっていう感覚が強かったんです。でもさち子さんの現場で初めて、「俳優としてのプロフェッショナルさ」というものを考えさせられました。
今タグ・ライトをは、自分は俳優だと思っていますけれど、どうしても「ダンスの人」というコンプレックスが常にあって。だからこの作品のオーディションの情報を見た時、ライト兄弟の話だとかそういうことを知る前に「これたぶん受けるな」と直感したことを覚えています。
DION 僕は、実は母(ヘアメイクデザイン・馮 啓孝さん)が石丸さんと舞台『鋼の錬金術師』や『北斗の拳』などでお仕事をご一緒したことがあったんです。それでいろいろ話は聞いていて、オーディションのお話を頂いた時に「石丸さんはすごく情熱的な方だから、一回通っておいたほうがいい」と言われて、「はい。わかりました」と受けました。決まった時はシンプルにガッツポーズしましたよ。「受かったよ」って言われて「よっしゃ! やったろう!」って。お二人みたいに深いことが言えなくてすみません(笑)。
――台本を最初に読んだ時のご感想は?
鈴木 「人生」という言葉がまず浮かびました。それと、後にも先にもない分量だなと。
工藤 ですよね。特にオーヴィルは3人の中で一番長生きで、演じる幅も広い。まだ自分が生きたことのない年齢を演じるので、どう表現していこうかなと。
DION 僕は「俺、本当にこれできるの?」と、今でも思っているんですけど。(セリフも出番も)今までの舞台全部を足した量より多いし、工藤さんがおっしゃったみたいに、自分とかけ離れた年齢まで演じないといけないから…。でも今は何が来ても受け入れて乗り越えていこう!と思っています。
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