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絢爛豪華 祝祭音楽劇『天保十二年のシェイクスピア』初日前囲み会見で、熱い想いを滲ませた藤田俊太郎、浦井健治、大貫勇輔、唯月ふうか

2024年12月9日に開幕した絢爛豪華 祝祭音楽劇『天保十二年のシェイクスピア』。その初日前囲み会見が、12月8日に日生劇場にて行われました。会見には演出の藤田俊太郎さん、主演の浦井健治さん、大貫勇輔さん、唯月ふうかさんが登壇し、作品への思いを語りました。※撮りおろし舞台写真&演出の藤田俊太郎さんロングインタビューも近日公開!お楽しみに!

本作は、宝井琴凌の「天保水滸伝」とウィリアム・シェイクスピアの全37作品を巧みに融合させた、井上ひさしさんの傑作戯曲です。4年ぶりの再演となる今回の公演では、井上ひさしさんのテンポのいい台詞や歌詞、場面に合わせた宮川彬良さんの華やかな楽曲、上下左右の目に楽しい場面展開と、シェイクスピアにさほど詳しくなくても楽しめる要素が満載です。もちろんシェイクスピア作品をいくつか知っているならば何倍も楽しめます!

演出の藤田俊太郎さんは「2024、2025年版の『天保十二年のシェイクスピア』カンパニーで一生懸命稽古してきた自信作です」と述べ、主演の佐渡の三世次役・浦井健治さんは「数年前からやってきたことが、ようやく繋がったと思っています。一生懸命頑張りたいと思います。よろしくお願いします!」と意気込みを語りました。

きじるしの王次役・大貫勇輔さんは「本当に素晴らしい作品に関わることができてうれしいですし、できるだけたくさんの方に見ていただきたいという思いです」、お光とおさちの二役を演じる唯月ふうかさんは「お稽古場から本当に充実した日々を過ごせて、やっとここで皆さまにお披露目できると思うと今からドキドキソワソワしています。今、自分の出せる精一杯を舞台にぶつけますので、受け止めていただけたらうれしいです」とそれぞれ思いを語りました。

演出の藤田さんは、作品の見どころを尋ねられて、「当たり前なことですが『舞台は役者のものだ』と僕は思ってるんです。演出家としていろいろなことをみんなに渡しますが、2024年から2025年の世相や虚と実、今の世の中にあるいろいろな言葉を、三世次は体現しています。コロナ禍以降の4、5年を、役者の皆さんが見事に体現なさっている。役者の、役を通した生きざまが今回のカンパニーの魅力です。そしていろいろな面を見てほしいです。2020年版を作った浦井さんやふうかさんなどの礎があり、天国の(辻)萬長さんそうなんですけど、その時に一緒に作ったメンバーにはリスペクトしかないです。そして、あれから4~5年経ったコロナ後の世界を、私たちが作った『天保十二年のシェイクスピア』の世界は、まさに鏡として映しているんじゃないかなと思います」と熱弁。

想いは止まらず、続けて「この3人の見どころをそれぞれ挙げるならば、浦井さんの三世次は、『真実の言葉を持っている三世次』だと思います。劇場で浦井さんの言葉は観客の皆さんに真実を伝えると思っています。大貫さんの王次は『太陽のような存在』です。光をお客様に渡します。そして、ふうかさんのお光とおさちはすべてが喜劇です。この世界の喜びをお届けすることができる。僕は稽古からの帰り道にふうかさんの芝居を思い出しては笑いが止まらなくて。お客様もふうかさんの芝居を思い出すと笑いが止まらなくなるほど、喜劇人としての魅力を発揮しています。この3人だけじゃなく、総勢29名の役者全員にそれぞれ魅力があるので、プランナーもふくめて、一人ひとりの魅力を発見していただきたいです」と、語ってくれました。

藤田さんからのこの言葉に「泣きそう」とつぶやいた浦井さん。最後に、観劇を楽しみにしている観客に向けて、「『天保十二年のシェイクスピア』は、井上ひさしさんの大作として、たくさんのカンパニーで受け継がれてきた作品です。木場(勝己)さんが本当に隅々まで目を光らせてくれて、僕たちに自分の背中を見せてくれて、微笑んで見守ってくれる。そうした先輩たちの存在が、受け継がれていく言葉がなくても、それを見ることが役者やスタッフ、お客様に伝わる。演劇は、時代を再生する装置で、こうして演劇って素晴らしいなということを先輩方から学んでいるのだと思います。同時に、生きることはとても大変で、井上ひさしさんは権力や業を描いていますが、逆説的に、生きるって本当に素晴らしいことなんだって伝える祝祭劇として最後は昇華していく。生きている人たちはみんな本当に苦しんでいるけれども、終わった後、亡くなった後に、みんなでお祭りしようではないか!という気持ちを、お客様に持って帰っていただける作品として井上ひさしさんは描いています。50年前の作品なのに、今の時代のお客様に伝わる作品になっていると思います」とメッセージを届けてくれました。さらに、「日生劇場で、無観客でDVD用の撮影した時と同じ場所で場当たりして、ちょっと僕、うるっとしたんですよ。あそこから繋がってるんだと。そして藤田バージョンの前任者の思いも背負っているつもりでやっているので、みんなで作ってきたものを今回また昇華し、東京をふくめ各地で楽しんでいただけるように精進していきたいと思います」と、2020年からこの作品にキャスト・スタッフが持ち続けてきたであろう熱い想いがあふれ出た会見となりました。

『天保十二年のシェイクスピア』は2024年12月9日(月)から29日(日)まで日生劇場で、2025年1月には大阪、福岡、富山、愛知にて公演予定です。

絢爛豪華 祝祭音楽劇『天保十二年のシェイクスピア』

【東京公演】
2024年12月9日(月)~12月29日(日)会場:日生劇場
【大阪公演】
2025年1月5日(日) ~1月7日(火)会場:梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】
2025年1月11日(土)~1月13日(月・祝)会場:博多座
【富山公演】
2025年1月18日(土)・19日(日)会場:オーバード・ホール
【愛知公演】
2025年1月25日(土)・26日(日)会場:愛知県芸術劇場

作:井上ひさし
音楽:宮川彬良
演出:藤田俊太郎
出演:
浦井健治 大貫勇輔 唯月ふうか 土井ケイト 阿部裕 玉置孝匡 / 瀬奈じゅん 中村梅雀 /
章平 猪野広樹 綾凰華 福田えり / 梅沢昌代 木場勝己

妹尾正文 新川將人 / 天瀬はつひ 出口雅敏 武者真由 森加織 山野靖博
斎藤准一郎 下あすみ 鈴木凌平 中嶋紗希 藤咲みどり 古川隼大 水島 渓 水野貴以

公式サイト:
https://www.tohostage.com/tempo/index.html

 

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