(撮影/片桐ユウ 文/臼井祥子)
「最初はボクで大丈夫かなと不安でしたが、台本に支えられました」
『Come Blow Your Horn』はニール・サイモンのブロードウェイ デビュー作。映画化もされ、日本でも繰り返し上演されてきた人気作で、1960年代のアメリカのアパートの一室をを舞台にしたワンシチュエーションコメディだ。
控えめで内気な青年・バディ(髙地優吾)が実家を出て、独身生活を謳歌する兄・アラン(忍成修吾)のアパートに転がり込んでくる。二人は性格は似ていないが仲のいい兄弟で、アランはバディの独立を喜び、迎え入れた。頑固で支配的な父(羽場裕一)、愛情深いが人の話を聞かない母(高岡早紀)、アランの本命の恋人・コニー(岡本玲)、アランがバディに紹介した女優志望のペギー(松井愛莉)が、アパートに入れ替わり立ち替わりやってきて、大騒ぎに。
奥手の弟・バディ(髙地優吾)
プレイボーイの兄・アラン(忍成修吾)
コニー(岡本玲)
ペギー(松井愛莉)
母・ベーカー夫人(高岡早紀)
父・ベーカー氏(羽場裕一)
都会的でオシャレなアランの部屋で交わされる兄弟や親子、男女の生き生きとした会話に引きつけられ、ドアが開くたびに現れる予想外の人物に虚をつかれる。自信がなく奥手な弟とプレイボーイの兄という対照的なキャラクターの妙と、劇の後半、そんな二人の性格や行動が鏡に映したように入れ替わる面白さ。小気味いい笑いに包まれながら、物語はテンポよく進み――。
ペギーに迫られ動揺するバディ
プレイボーイのアランと恋人のコニー
すっかり遊び人になったバディと真面目に働くアラン
終了後、出演者6人が登壇し、舞台上で初日前会見が行われた。
バディを演じた髙地は、「最初はボクで大丈夫かなと不安でしたが、台本を読んだら面白かったので、台本に支えられました」と初めての単独主演についてコメント。役については「1、2幕の(内気な)ほうが得意かと思ったのですが、3幕のお調子者のほうがギアが入りやすくてセリフもするする出てきました。新しい自分を発見できました」と語った。
本作は10月20日(日)まで、東京・新国立劇場 中劇場、10月25日(金)~28日(月)まで、大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。
『Come Blow Your Horn~ボクの独立宣言~』
東京公演/2024年 10月3日(木)~10月20日(日) 新国立劇場 中劇場
大阪公演/2024年 10月25日(金)~28日(月) 森ノ宮ピロティホール
原作:ニール・サイモン
翻訳:常田景子
演出:宮田慶子
出演:髙地優吾 忍成修吾 岡本玲 松井愛莉 高岡早紀 羽場裕一