ここで結果を出せなければ次はない、という気持ちで、目の前の仕事に全力で取り組みたい
――『消失』について教えてください。出演の経緯は？
4月に『Le Fils 息子』に出演している時に自分のホームページからオファーを頂きました。あそこから連絡頂いたの、初めてですよ（笑）。で、まず自分を「この舞台に立たせたい」と思っていただけることがすごくありがたかったですし、KERAさん（ケラリーノ・サンドロヴィッチ）の戯曲には難解な部分があるので、すごく挑戦だなと思いました。KERA CROSSという企画も面白いですよね。
――KERA CROSSは、KERAさんの戯曲を別の演出家さんが演出される企画です。『消失』の演出は河原雅彦さん。河原さんは『Le Fils 息子』もご覧になったそうですね。
僕は河原さんの作品をたくさん拝見しています。『ピカ☆ンチ』シリーズ（河原雅彦脚本の映画『ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』（2002年）・『ピカ☆☆ンチ LIFE IS HARDだからHAPPY』（2004年）・『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARD たぶんHAPPY』（2014年））が大好きだったんですよ！ 最近で言うと、知念（侑李）が出ていた『照くん、カミってる！』（2021年）、（中山）優馬の『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー』（2021年）、ほかにも『カメレオンズ・リップ』（2021年）や、『ロッキー・ホラー・ショー』（2022年）とかも拝見しました。劇場でお見かけしたことも何度かあったんですが、話しかける勇気はなかったんです。
それで、この舞台のお話を頂いたので、ぜひ『Le Fils 息子』を観にきてくださいとお願いしました。お忙しいとは思ったのですが、ご一緒するからには「この人はこういうことができるんだ」というのを、稽古に入る前に見ていてほしいなと思いました。舞台に立っている姿を見ていただいたほうが、イメージがわきやすいでしょうし。
そうしたら本当に観にきてくださって、僕の芝居に興味を持っていただけた。それを経て、『消失』という舞台でご一緒できるのは、とてもうれしいです。
――『消失』の台本をお読みになって、今の時点で感じている魅力を教えてください。
コメディでありシリアスなところもあり、SF要素もあって、最初はつかみどころのない作品だと思います。でも観にいくにつれてどんどん登場人物に感情移入をしていけるんじゃないかな。次に何が起こるかわからないドキドキも楽しめると思います。ぜひ劇場に来て、KERAさんの戯曲の魅力を堪能していただきたいです。
――来年１、２月に『消失』に出演されて、それを経ての2025年、どんな役者になっていたいですか？
どんな役者になっているだろうね？ わかんないなあ。俳優って、物語を届ける存在なんですよ。で、伝えるべき物語がなければできない仕事なんです。だから一つ一つの舞台がオーディションのつもりで、今できることを全部やろうと思っています。ここで結果を出せなければ次はない、という気持ちで、目の前の仕事に全力で取り組みたいです。舞台だけじゃなく、例えばこういったインタビューでも、今できる限りのことをしたい。
――来年のプライベートの目標は？
海外で舞台が見たいです。ブロードウェイやウエストエンド、ギリシャにも行きたい。さっきお話ししたナショナル・シアター・ライブでいろんな作品を拝見しているのですが、海外の舞台を生で観たいと思って。それと、例えばイギリス人を演じるならイギリスの人たちがどう生きているか、アメリカ人役をやるならアメリカの人たちの立ち方、動き方などを、実際にこの目で見ておきたいと思うので、海外に行って舞台を観たり…できれば海外で舞台に出たいですね。
KERA CROSS 第六弾 『消失』
東京公演／
2025年1月18日(土)―2月2日(日) 東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
大阪公演／
2025年2月6日(木)―7日(金) 大阪・サンケイホールブリーゼ
作：ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出：河原雅彦
出演：藤井 隆 入野自由 岡本圭人 坪倉由幸 佐藤仁美 猫背 椿
公式HP：https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/keracross_6
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