「“あなたの生き方はどうなんですか?”と、常に自分に問いかけられているように感じて」
『十二国記』は1991年に刊行されシリーズ化、30年間以上にわたり書き継がれている人気ファンタジー小説。物語は我々が住む世界と異世界とを舞台に繰り広げられる。異世界に連れ去られた女子高生・陽子を柚香光が演じ、我々が住む世界の陽子を加藤梨里香が演じる。
会見には柚香光、加藤梨里香のほか、Wキャストで楽俊を演じる太田基裕と牧島輝、景麒役の相葉裕樹、演出の山田和也が参加した。
まず柚香と加藤が登壇し、12日解禁の原作の書影をオマージュしたビジュアルを披露。柚香はビジュアルについて「陽子の“ふるさとに絶対生きて帰るのだ”という生への執着と強い意志を表現したいと思い撮影に挑みました」とコメント。
柚香光と加藤梨里香
続いて、太田、牧島、相葉、山田が登場して、挨拶と質疑応答が行われた。
柚香は「(原作を読んで)“あなたの生き方はどうなんですか?”と常に自分に問いかけられているような思いを感じて、すごい作品に出会わせていただいたなと思いました。陽子さんは、最初はいろんなものに流されて、葛藤や迷いを抱えてはいるんですけど、異国に飛ばされて直面する試練にどういうふうに立ち向かっていくのか、その彼女の姿から、いろんなことを教えていただける気がしています。原作の中嶋陽子さんという方がどういう方なのかということを追求して探して探して役作りをしていきたいです」と陽子役への熱い思いを語った。
柚香光
加藤は「私は日本にいる時の陽子を演じるんですが、(陽子が異国を)旅している途中にもたびたび出てきて、柚香さん(が演じる陽子)と心の中で対話をしていくので、私の陽子は“家に帰りたい”という強い思いをずっと持ち続けることも大切なのかなと思って、そこを大切にお稽古に臨みたいと思います」とコメント。
加藤梨里香
世界初演の作品に出演することについて、太田は「初演で立ち上げるとなると、紆余曲折、苦しいことになるような気がしているのですが、どんな時でも立ち上がって前に進もうと頑張る陽子を想像しながら、僕自身も頑張っていけたら」、牧島は「誠実に作っていきたいともちろん思っていますが、演劇は楽しいものだと僕は思っているので、原作をリスペクトしつつ、皆さんとアイデアを出し合って、楽しく創作できればと思っています」と語った。
太田基裕
また、地方公演で楽しみにしていることを聞かれ、牧島が「ごはんです」と即答し、笑いを誘う一幕も。「僕と太田さんはWキャストなので、皆さんよりちょっと余裕があるので」と続ける牧島を「おいしいものがたくさんありますから」と太田がフォロー。すでに和やかなカンパニーの空気を垣間見せた。
牧島輝
相葉は好きな場面を聞かれ、「陽子と契りを交わすシーンです。“許すとおっしゃい”。そして一言“許す”。そこから全てが始まって世界が広がっていくので、そこは好きなシーンです」と原作の名場面を挙げた。「長く愛されている作品ですので、まずは読者の方々に納得していただけるような舞台にしたいですし、景麒だなと思ってもらえるような説得力を持って届けられるように心がけたいです。牧島くんが言うようにみんなでアイデアを出し合って試行錯誤しながら表現して届けられたらと思っています」。
相葉裕樹
山田は演出プランについて聞かれて「架空の世界をどうビジュアル化するか難易度が高い感じがしますが、我々は舞台なので、実写やアニメとはやり方が違うんじゃないかなと思っています。脚本の元吉さんや音楽の深澤さんと、舞台で『十二国記』をやるならどうすれば舞台にする意味や価値があるか、一生懸命考えながら作っている最中です。あまり大袈裟なことはしないで、でも、陽子という等身大の高校生の女の子がたどる過酷な運命に感情移入していただけるようなミュージカルにしたいです」と意気込みを語った。
演出の山田和也
ミュージカル『十二国記 ‐月の影 影の海‐』は12月9日(火)より、東京・日生劇場にて、以降、福岡、大阪、愛知で上演される。
詳細は下記公式サイトにて。
https://www.tohostage.com/12kokuki/
※柚香光の原作オマージュビジュアルを使用したミュージカル記念特別フルカバー仕様の原作本 上下巻が、9月12日より、順次全国書店にて発売開始!